この前、師長に『看護師の使命は何?』って質問されたけど、答えられなかった・・・
療養上の世話と診療の補助という2つの役割を通じて、患者さんを守るの
今から具体的な話を交えながら、看護師の使命について詳しく説明いていくわ
看護師の使命は患者さんを守ることです
看護師の使命は、患者さんを守ることです。
時には、患者さんだけでなく、患者さんの家族も守らなくてはいけません。
看護師はただ目の前にある与えられた仕事を淡々とこなすだけではダメなんです。
患者さんを第一に考え、患者さんの利益が損なわれないように守ること。
そして、患者さんを仕事の中心に据えることが、看護師の使命なんです。
看護師の役割と使命は何だろう?
看護師の使命を考えるなら、まずは看護師の役割を考えなくてはいけません。
保健師助産師看護師法(保助看法)の第5条で、看護師の役割は次のように定義されています。
<看護師の役割>
- 療養上の世話
- 診療の補助
この保助看法で定められた役割を見ると、看護師は患者さんの療養上の世話(日常生活援助)をして、医師に指示された採血や注射、点滴、その他処置などを責任をもって行うことが仕事ということになります。
このことから、看護師の使命を考えてみると、
- 自分に割り当てられた日常生活援助の仕事を、上司や先輩に「これやって」と言われる前にやっておくこと
- 医師に指示された処置をミスなく完璧にやること
上記の2つをそつなくできることは、看護師が仕事をする上でとても重要なことです。
また、この2つができる看護師は、良い看護師と言えるでしょう。
だから、この2つが看護師の使命と思うかもしれません。
でも、違うんです。
この2つは、看護師の使命ではありません。
看護師の使命は、ほかにあります。
看護師の使命はアセスメントをして患者さんを守ること
看護師の使命は、看護師の役割を通して、患者さんを守ることです。
つまり、療養上の世話や診療の補助をすることで、患者さんを守ることが看護師の使命です。
患者さんを守るためには、何も考えず、
「ミスなく言われる前に仕事をする」
という姿勢ではダメです。
患者さんを守るためには、自分で考えて仕事をしなければいけません。
- 「これは患者さんに本当に必要なのか?」
- 「どの手順でやったら、患者さんにとって一番良いのか?」
- 「どのタイミングで、いつケアをすると、患者さんに一番効果があり、苦痛なくできるか?」
- 「今の患者さんに必要なケアは何か?」
- 「どのような接し方をすると、精神的なケアができるか?」
- 「治療に前向きに取り組んでもらうためには、どのようなアプローチが有効か?」
このようなことを1つ1つ自分で考え、アセスメントをし、ケアを確実に実行する。
そうすることで、患者さんを守ることができ、患者さんの治癒力を最大限に引き出すことができるのです。
医師や先輩に指示されたことを、脊髄反射的に何も考えずに行うことは看護ではありません。
「言われたからやる」
これは、看護ではないし、看護師でなくてもできることも多いです。
看護師の使命は、アセスメントをして患者さんを守ること。
つまり、自分で考えて、患者さんのためになることをする。
これが看護師の使命なのです。
看護師の使命を果たすために診療の補助はいらない?
看護師の本分は療養上の世話のみ?
看護師の使命を果たすためには、診療の補助はいらないという意見があります。
看護師の本分は療養上の世話のみである。
診療の補助は看護ではなく、「医師の手伝い」だ。
だから、看護師の使命を果たすためには、療養上の世話のみを行うべきであり、診療の補助は看護師の使命から外れているという意見です。
確かに、この意見は納得できる部分はあります。
診療の補助は医師の指示に基づいたものですから、医師がいないとできません。
医師の指示ありきです。
だから、看護師の使命・本分は療養上の世話であり、診療の補助は看護師の使命ではないというわけですね。
診療の補助も看護師の使命である
診療の補助は看護師の使命ではない。
看護師の使命は療養上の世話である。
そういう意見もわかります。
でも、先ほど説明した看護師の使命を思い出して下さい。
「看護師の使命は、アセスメントをして患者さんを守ること。」でしたよね。
ということは、診療の補助においてもアセスメントをして、患者さんを守れば良いのです。
例えば、医師に指示されたことでも、
- 「なんでこの処置が必要なのか?」
- 「この処置は正しいのか?」
- 「どのように説明すると、患者さんが積極的に治療に参加してもらえるか?」
等を考えて、アセスメントをした上で行えば、それは立派な看護であり、使命を果たしています。
疑問に思ったことがあれば、医師に自分の考えを伝え疑問をぶつければ良いのです。
また、医師に指示された処置についても、患者さんの1日のスケジュールを考え、そのタイミングが患者さんにとってベストではないとあなたが判断すれば、処置のタイミングをずらすように医師に相談するのも、立派な看護ですよね。
だから、診療の補助は医師に指示されたことを、何も考えずに、
「先生に命じられたから」
と行うなら、それは看護ではありません。
でも、患者さんを第一に考え、患者さんの利益を守るために、自分なりに考え、しっかりアセスメントしてケアをすれば、それは立派な看護になるのです。
看護師の使命を果たすためには看護観を見直す
看護師の使命を果たすためには、あなたの看護観を見直しましょう。
看護観によって、使命を果たすためのおすすめの職場は異なります。
看護師の使命をどう果たすかは看護観によって異なる
看護師の使命をどう果たすかは、看護観によって異なります。
看護にはいろいろありますよね。
あなたはどんな看護をしたいですか?
どんな看護が理想ですか?
どんな看護をするとやりがいを感じますか?
看護師の使命を果たすことはとても大切なことです。
でも、やりがいを感じながら働かないと、看護師の使命は果たせません。
なぜなら、やりがいがない中で働いていても、モチベーションを高く保てないからです。
モチベーションが下がれば、アセスメントをする気力は出てきません。
使命なんて忘れてしまいます。
だから、看護師の使命を果たすためには、看護観を見直して、自分の看護観に合う職場で働く必要があります。
看護観別におすすめの職場を紹介
看護観別におすすめの職場を紹介していきます。
1人1人寄り添った看護をしたい
1人1人寄り添った看護をしたいというあなたは、看護師の役割の中でも療養上の世話を中心になる、次の職場がおすすめです。
- 療養型病院
- 介護施設
日常生活を考慮した看護をしたい
患者さんの日常生活を考慮した看護をしたいというあなたには、次の職場がおすすめです。
- クリニック
- 訪問看護ステーション
- リハビリテーション病院
- デイサービス
超急性期の看護をしたい
患者さんのクリティカルケアにやりがいを感じる、診療の補助にやりがいを感じるあなたには、次の職場がおすすめです。
- ICU
- 救命救急センター
- 救急外来
- 手術室
特に、高度急性期病院の集中治療部門がおすすめです。
バランスよく看護をしたい
療養上の世話もしたいし、診療の補助もしたいというあなたにおすすめの職場はこちらです。
- 中病院(急性期・回復期)
- 中病院(ケアミックス)
- 訪問看護ステーション
これらの職場なら、療養上の世話も、診療の補助もバランスよく行うことができ、看護師の使命を果たすことがで来ます。
より高いレベルで使命を果たすならキャリアアップを!
看護師の使命をより高いレベルで果たすなら、キャリアアップしていくことも1つの選択肢です。
看護師のキャリアアップには、いろいろあります。
- 専門看護師
- 認定看護師
- 診療看護師
- 特定看護師(特定行為研修を修了した看護師)
- 認定看護管理者
看護師としてキャリアアップしていくと、看護師の使命にも変化が生じます。
専門看護師
専門看護師は次の6つが役割になっています。
1.個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。(実践)
2.看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。(相談)
3.必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。(調整)
4.個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る。(倫理調整)
5.看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。(教育)
6.専門知識及び技術の向上並びに開発を図るために実践の場における研究活動を行う。(研究)
これを見ると、専門看護師の使命は、より広い視点で看護を捉え、看護師全体・看護界全体のレベルアップに貢献することと言えるでしょう。
看護全体がレベルアップすれば、看護師1人1人がより高いレベルでアセスメントでき、患者さんを守ることができるのです。
認定看護師
認定看護師の役割は、次の3つです。
1.個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する。(実践)
2.看護実践を通して看護職に対し指導を行う。(指導)
3.看護職等に対しコンサルテーションを行う。(相談)
認定看護師は臨床の場において、看護師1人1人のレベルアップを図り、看護のレベルを上げることが使命になります。
診療看護師、特定看護師(特定行為研修を修了した看護師)
診療看護師や特定看護師は、あらかじめ作成された手順書を用いて、今までは「医療行為」とされていて、看護師は行うことができなかったことを診療の補助として行うことができる看護師です。
診療看護師や特定看護師は、よりタイムリーに患者さんに医療行為を行うことで、患者さんを守ることができるという使命があります。
特に、診療看護師の場合、医師と共通言語・同じ思考を持つことで、診療をより正確に理解でき、それを看護計画に生かし、患者さんを守ることも大切な使命です。
診療看護師・特定看護師については、以下のページでさらに詳しく説明しています。
看護師の使命を重視するなら転職サイトを利用!
看護師の使命を重視して働きたいなら、看護師転職サイトを利用しましょう。
そうすることで、
「私は看護師としての使命を果たすことができている。やりがいを感じる。看護師になって良かった!」
と感じながら働くことができます。
なんで、看護師転職サイトを使う必要があるの?
本当にあなたの看護観に合った仕事ができるかどうかは、きちんと調べてみないとわからないわ
もし、今の職場で使命を果たせないなら、転職サイトを頼って、転職しましょう!