目次
救命救急センターの看護師の給料・年収の具体例を調査!
救命救急の看護師の給料・年収の具体例を年代別に調査しました。
ここでは、地域別の年収差が出ないように、東京都や神奈川県の救命救急センターの看護師を中心にご紹介します。
運営母体別の救命救急の看護師の年収
まずは、運営母体別の救命救急の看護師の年収からです。
- 大学病院
- 公立病院
- 公的病院
- 民間病院
この4つの運営母体別の救命救急の看護師の年収を年代別に見ていきましょう。
大学病院の救命救急センターの看護師の年収
大学病院の救命救急センターの看護師の年収例は、20代前半で400~500万円、20代後半で500~600万円、30代前半で550~780万円です。
- 20代前半:450~500万円
- 20代後半:500~600万円
- 30代前半:550~780万円
- 20代前半:400~500万円
- 20代後半:500~550万円
- 30代前半:600~640万円
公立病院の救命救急センターの看護師の年収
公立病院の救命救急センターの看護師の年収例は20代前半で400~500万円、20代後半で500~600万円、30代前半で500~600万円です。
- 20代前半:400~450万円
- 20代後半:500万円
- 30代前半:500~600万円
- 20代前半:400~500万円
- 20代後半:500~600万円
- 30代前半:550~600万円
公的病院の救命救急センターの看護師の年収
日赤や済生会などの公的病院の救命救急センターの看護師の年収例は20代前半で400~500万円、20代後半で450~550万円、30代前半で550~700万円です。
- 20代前半:400~500万円
- 20代後半:450~540万円
- 30代前半:550~580万円
- 20代前半;400~490万円
- 20代後半:450~550万円
- 30代前半:600~700万円
民間病院の救命救急センターの看護師の年収
民間病院の救命救急センターの看護師の年収例は、20代前半で430~450万円、20代後半で500~600万円、30代前半で600万円です。
東京都には民間病院に救命救急センターはありませんので、神奈川県の民間病院の救命救急センターの年収のみ紹介します。
- 20代前半:430~450万円
- 20代後半:500~600万円
- 30代前半:600万円
高度救命救急センターの看護師の年収
一般的な救急センターよりもさらに重症な症例を扱う高度救命救急センターの看護師の年収を見ていきましょう。
高度救命救急センターの看護師の年収例は、20代前半で450~500万円、20代後半で500~550万円、30代前半で500~650万円です。
- 20代前半:年収450~500万円
- 20代後半:年収500~550万円
- 30代前半:年収500~600万円
- 20代前半:年収470~500万円
- 20代後半:年収500~550万円
- 30代前半:年収550~650万円
ドクターヘリ運用の救命救急センターの看護師の年収
最後に、ドクターヘリを運用している病院の救命救急センターの看護師の年収です。
東京都にはドクターヘリ運用病院はありませんので、神奈川県のみを紹介します。
ドクターヘリ運用の救命救急センターの看護師の年収例は、20代前半で400~500万円、20代後半で500~550万円、30代前半で550~650万円です。
- 20代前半:400~500万円
- 20代後半:500~550万円
- 30代前半:550~650万円
救命救急センターの看護師の給料は特別高いわけではない!
救命救急センターの看護師の年収例を見てきました。
ここで、もう一度まとめてみましょう。
- 20代前半:年収400~500万円
- 20代後半:年収500~600万円
- 30代前半:年収500~780万円
これを見て、あなたはどう感じましたか?
- 「やっぱり救命救急の看護師の年収は高いじゃん!」
- 「あれ?救命救急の看護師の年収ってそんなに高くないかも」
と思った人のどちらもいると思います。
この2つの真逆の感じ方は、どちらも間違っていません。
救命救急の看護師の年収は、看護師の平均年収よりは高いけれど、救命救急センターだからと言って、特別に高いわけではないのです。
救命救急センターは大病院にしかないから高い
救命救急センターは大病院にしかありません。
小さな病院では3次救急に対応できません。
24時間365日マンパワーが充実していて、すべての診療科の緊急手術に対応できるような大病院にのみ救命救急センターはあります。
看護師の年収は病院の規模に比例しています。
病院が大きくなればなるほど、看護師の給料・年収は高くなるのです。
日本看護協会の「2022年 病院看護・助産実態調査 報告書」から、病床数別の勤続10年の非管理職の給料を見てみましょう。
- 99床以下:311,133円
- 100~199床:319,479円
- 200~299床:322,252円
- 300~399床:336,987円
- 400~499床:341,150円
- 500床以上:354,173円
病床数に見事に比例しています。
病院が大きいと、ボーナスも多めになります。
病院の規模が大きければ大きいほど、看護師の給料・年収は高くなるのです。
救命救急センターは大病院にしかないから、救命救急の看護師の年収は看護師の平均年収よりは高くなるのです。
救命救急の看護師の給料は夜勤手当と残業手当で相殺される
救命救急の看護師の給料は、同じ病院であれば、他の診療科の看護師と変わりません。
救命救急だからと言って、特別に高額な手当が付くわけではないからです。
危険手当がつくことはありますが、わずか数千円程度です。
そして、救命救急の看護師は夜勤回数が多いです。
2交替の場合、一般病棟の看護師は夜勤回数が月4回程度ですが、救命救急では月6~8回あります。
もちろん、その分夜勤手当が高くなりますが、救命救急センターは残業時間が少ないので、残業手当は少ないんです。
救命救急センターでは日勤と夜勤の看護師の人数は変わりません。
だから、よほどの重症患者が一度に搬送されてくるような悲惨なことがない限り、勤務交代時刻になったら、そのまま申し送りすれば勤務終了になります。
「夜勤さんに申し訳ないから」
などの理由で残業することはありません。
救命救急の看護師は危険手当は雀の涙。
夜勤手当は多いけれど、残業手当は少ないから相殺。
私が救命救急センターで働いていた時は、夜勤が月7回、残業は月2~3時間程度でした。
一般病棟で働いていた同期の看護師と給料を比べたことがありましたが、ほとんど変わらない額でした。
だから、救命救急の看護師の年収は、同じ病院ならほかの診療科の看護師と変わらないのです。
救命救急センターに看護師が給料にこだわるならどんな病院を選ぶべき?
救命救急に看護師が給料にこだわって転職するなら、どんな病院を選ぶべきでしょうか?
先ほど、以下の病院の救命救急センターの看護師の年収を調査しました。
- 大学病院の救命救急センター
- 公立病院の救命救急センター
- 公的病院の救命救急センター
- 民間病院の救命救急センター
- 高度救命救急センター
- ドクターヘリ運用病院のの救命救急センター
ここからどんな病院を選ぶべきか分析していきましょう。
救命救急センターの看護師の給料はどこでもそれほど変わらない
6つの分類で救命救急の看護師の年収を比較しましたが、「どこでもそんなに変わらないかも」と思った人は多いと思います。
その通りなんです。
病院の運営母体によって、救命救急の看護師の年収には差がありません。
高度救命救急センターだからといって、年収が高いわけでもありません。
ドクターヘリがあるから年収が高いわけでもないんです。
大都市か過疎地かなど地域別での差はあります。
でも、同じ地域にある救命救急センターなら、病院による年収差はほぼないと考えて良いでしょう。
救命救急の看護師が給料が高い病院に転職するためのポイント
救命救急の看護師の年収は、同じ地域であれば、それほど変わりません。
では、年収にこだわって救命救急センターに転職する場合、どんなポイントに注意すれば良いのでしょうか?
長く勤めるなら公務員待遇がおすすめ
あなたが「転職は今回で最後。あとは定年まで働く」と決めているなら、公務員待遇の病院の救命救急センターがおすすめです。
公立病院や公立の大学病院、独立行政法人の病院ですね。
公務員待遇だと、昇給額が高いので、長く働けばそれだけしっかり年収が上がっていきます。
また、退職金や将来の年金も有利です。
だから、長く勤めるなら、公務員待遇の病院の救命救急センターに転職しましょう。
もちろん、長く勤める場合、定年までずっと救命救急センターで働き続けられるとは限りません。
本人が望んだとしても、やむを得ない異動がありますから。
また、救命救急センターは夜勤回数が多いので、年齢が上がると、体力的に救命救急センタ―で働き続けるのは厳しくなり、異動せざるを得なくなることもあるでしょう。
夜勤手当の額にはこだわろう
救命救急では夜勤回数が多いです。
だから、夜勤手当の額はこだわる必要があります。
ただ、大学病院や公立病院、公的病院では多くが10,000円~12,000円とごく平均的な夜勤手当の額になっています。
民間病院では、一部は15,000円以上のところもありますが、救命救急センターがあるような大きな民間病院の夜勤手当は平均程度です。
だから、救命救急で年収にこだわるなら、夜勤手当が高いところを探すと、選択肢が狭くなるだけなので、安すぎないところ、最低でも1回10,000円はあるところを探したほうが良いです。
自分なりの「やりがい加算」にも注目!
救命救急センターの看護師の年収は、ハッキリ言えば、どこでも似たりよったりの年収です。
それなら、あなたなりの「やりがい加算」に注目してみましょう。
世の中では「やりがい搾取」が注目されていますが、視点を変えれば、「やりがい加算」という考え方もできますよね。
同じ年収なら、あなたが最もやりがいを感じる救命救急センターを選んだ方が良いですし、額面以上に年収が高く感じることができます。
救命救急センターで救急看護を極めたいなら、
- 一般の救命救急センターよりも高度救命救急センター
- 救急病棟(救急ICU)の病床数が多く、救命救急センターの規模が大きい
- 救急搬送受け入れ件数が多い
- 熱傷センターがある
これらの項目に注目して救命救急センターを選ぶと良いでしょう。
また、フライトナースを目指したいなら、ドクターヘリ運用病院の救命救急センターを選択することになります。
ドクターヘリは都市部に近いところでは、出動回数が少ないこともあります。
だから、フライトナースを目指して救命救急センターへの転職を考えているなら、出動回数はチェックしておくべきです。
もちろん、フライトナースになる条件も確認しておく必要がありますよ。
救命救急センターの看護師が給料を重視するなら、救急外来の方が良いかも!?
救命救急で働きたい看護師が給料を重視したいなら、救急外来で働いたほうが良いかもしれません。
なぜなら、救命救急センターよりも救急外来の方が給料が高めになるからです。
救急外来は夜勤回数も残業時間も多め
救急外来は救命救急センターよりもさらに夜勤回数が多くなりますし、残業が多いところはとても多いので、残業手当もたくさんもらえます。
だから、救急部門でとにかく給料を稼ぎたいというなら、救命救急よりも救急外来のほうがおすすめなんです。
救急外来なら交渉次第で給料アップも
また、救命救急センターの求人は少ないけれど、救急外来の求人はたくさんあります。
厚生労働省の「令和2(2020)年医療施設(静態・動態)調査(確定数)・病院報告の概況」によると、二次救急の病院は3,912施設、三次救急の病院は292施設となっています。
二次救急(救急外来)がある病院は、三次救急(救命救急センター)がある病院の10倍以上もあるんです。
実際に、転職サイトのマイナビ看護師の公開求人の数を見てみると、2023年6月の時点で、ER(救命救急室)の求人は37件、救急外来の求人は303件となっています。
救急外来よりも救命救急センターの方が看護師からの人気は高いです。でも、需要は救急外来の方があります。
そして、救急外来は夜勤が多いなどの激務が原因で、常に人手不足気味なんです。
ということは、無理に救命救急の求人を探すよりも、救急外来を選んで給料の交渉をしたほうが、給料は上がる可能性が高いですよね。
救急外来の中にも救命救急センターと同じくらいの重症な患者さんを受け入れる2.5次救急と呼ばれるところもあります。
そのような救急外来なら、身につけられるスキルや仕事内容も救命救急センターと変わりませんので、おすすめですよ。
しかも、そのような救急外来で経験を積んだら、求人数が少なく人気が高い救命救急センターに将来的に採用されやすくなるんです。
救急外来も転職先の候補に含めようか迷っている人は、
も併せて読むことをおすすめします。
救命救急センターに看護師が給料重視で転職するなら、看護師転職サイトを使おう!
救命救急で働きたい看護師さんは、転職サイトを使って求人探しをしましょう。救命救急の求人は少ないので、自分では見つけることができません。
転職サイトなら数は少ないものの、救命救急センターの求人を扱っています。
転職コンサルタントが救命救急センターの中でも、公務員待遇や夜勤手当が高いところを探してくれます。
あなたなりの「やりがい加算」があるかどうか、ドクターヘリの運用状況・フライトナースになる条件などを調べてくれますよ。
また、転職コンサルタントが配属交渉をしてくれますので、救命救急センターに確実に配属になるんです。
そして、給料にこだわりたい人は、転職コンサルタントに2.5次救急の救急外来の中で、特に給料が高い求人を探してもらいましょう。
救急外来の求人の中には、残業はないけれど給料が高いところがあるかもしれません。
さらに、転職コンサルタントに給料交渉をしてもらえば、救急部門で働きながら、ガッチリ給料を稼ぐことができますよ。