看護師の異動は誰が決めるか、選ばれる人はどんな人なのか、あなたは知っていますか?
病院に勤務する看護師は異動の時期になると、いつもドキドキしているかもしれません。
異動したくないのに、異動メンバーに選ばれてしまったら、大ショックですよね。
異動は誰が決めて、どんな人が選ばれるのかを知っておけば、異動メンバーに選ばれないためにはどうすれば良いのかが見えてきますよ。
目次
看護師の異動はなぜ行われる?メインは病院側の都合だった!
看護師の異動は誰が決めるのか、また選ばれる人はどんな人なのかを説明する前に、まずは看護師の異動はなぜ行われるのかを知っておきましょう。
なぜ異動が行われるのかを知ることで、誰がどういう経緯で異動を決めるのかがわかります。
看護師の異動は、主に次の3つの理由で行われます。
- 1位:人数調整
- 2位:風通しを良くする
- 3位:看護師の希望を叶える
そして、この3つの理由の優先度は上記の順位通りになります。
つまり、看護師の希望よりも病院側の都合を優先して、看護師の異動が行われます。
異動が行われる理由①:人数調整
異動が行われる1つ目の理由は人数調整です。
病院では診療報酬に応じた看護師の配置人数が決められています。
決められた看護師数を下回ったら、診療報酬は減額されてしまいます。
もし1つの病棟で退職者が多く出てしまったら、人数に余裕があるほかの部署から看護師を異動させて人数を調整しなければいけません。
新しく看護師を採用すれば良いのですが、採用するまでに時間がかかりますし、採用した看護師が即戦力になるとは限りません。
とりあえずの応急処置としては新規採用よりも異動の方が確実です。
各部署の看護師の人数を調整するために、看護師の異動は行われるのです。
異動が行われる理由②:風通しを良くする
異動が行われる2つ目の理由は風通しを良くすることです。
長期間同じメンバーで固定して働いていると、職場の風通しは悪くなります。
お局看護師が大きな態度を取り、イジメや陰口が日常的に行われるようになります。
また、仕事をさぼったり手を抜いたりするようになることもあります。
それを防ぐために、定期的に異動を行いメンバーを入れ替えて、職場の風通しを良くするのです。
異動が行われる理由③:看護師の希望を叶える
異動が行われる理由の3つ目は、看護師の希望を叶えることです。
小児科病棟で働きたい。
ICUで働きたい。
手術室で働きたい。
内科病棟で働きたい。
このように配属希望を持っている看護師はいます。
このような希望を叶えることで、勤務している看護師の不満を解消すると共にキャリアアップを支援し、長く働いてもらえるようにしています。
ただ、この看護師の希望を叶えるための異動は優先順位が低いです。
看護師の異動は誰が決める?管理職・看護部が決めます!
看護師の異動は誰が決めるのでしょうか?
看護師の異動は基本的に管理職である師長や看護部長、もしくは看護部の事務方が決めます。
病院によって多少の違いはありますが、異動の時期になると、次のような手順を踏んで決まることが多いです。
1.各部署の師長が必要人数に対して不足数・余剰数を看護部に提出
2.各部署の異動させる看護師数が決定される
3.師長が異動させるメンバーを決定する
4.看護部がそれを調整して異動が決定される
このような手順で看護師の異動は決まるのです。
まずは人数調整+ラダー調整
看護師の異動は、先ほども説明したように人数調整が最大の理由になります。
ただ、人数をそろえればそれで良いというわけではありません。
人数のほかに看護師のレベルもそろえなければいけません。
いくら人数がそろっていても、1~2年目の看護師ばかりだったら、その病棟は崩壊しますよね。
だから、クリニカルラダーや看護師のレベル・スキルも考えて、異動は決まります。
看護師希望は後回し
その部署から異動させる各ラダーの人数が決まり、その候補となる人を師長が決めたら、そこから看護師希望を考慮します。
先ほども説明したように、看護師の希望はある程度考慮されるものの、人数・ラダー調整が優先されますので、優先度は低いです。
看護師の異動で選ばれる人はどんな人?
看護師の異動は管理職や看護部が調整しながら決めることがわかりました。
次は、看護師の異動で選ばれる人はどんな人なのかを考えていきましょう。
誰でも異動の可能性はあるが・・・
病院で働いている以上、異動の可能性は誰にでもあります。
「こんな看護師は異動しない」とか「こんな風にしていたら、絶対に異動メンバーに選ばれない」ということはありません。
また、異動には職場の風通しを良くするという理由もありますので、その部署で長期間ずっと働いていたら、異動に選ばれやすくなります。
ただ、同じ期間その部署で働いていても、早めに異動する人もいますし、異動せずに長く働く人もいますよね。
早めに異動する人、長く異動がない人の違いは何でしょうか?
仕事ができる人は選ばれにくいかも?
仕事ができるタイプの看護師は、異動に選ばれにくい傾向があります。
その部署のエース的な存在、その人がいると仕事が円滑にまわるような看護師は異動に選ばれにくいでしょう。
なぜなら、そのような「できる看護師」は師長が手放したくないからです。
できる看護師を手放してしまったら、その病棟の戦力は一気に低下します。
その看護師と同じラダーの看護師が異動で新しく入ってくるかもしれません。
でも、ラダーが同じだからと言って、同じように仕事ができるとは限りません。
その病棟の戦力が低下して、看護レベルが落ちたら、師長自身の評価も関わってきます。
だから、仕事ができる看護師は師長が手放さないので、異動に選ばれにくくなります。
面倒なタイプは異動しやすい?
異動を希望していないのに異動に選ばれる人は、面倒なタイプやあまり仕事ができないタイプかもしれません。
先ほど、仕事ができる人は師長が手放したくないから異動に選ばれにくいと説明しました。
逆に考えれば、師長が一緒に働きたくない、もしくは手放しても良いと思うタイプの看護師は、異動メンバーに選ばれやすいのです。
一緒に働きたくない・手放しても良いと思うのは、面倒くさい人や仕事ができない人ですよね。
看護師の異動は拒否できない!異動メンバーに選ばれないためには?
看護師の異動は拒否できません。
病院で働いている以上、組織・上司(看護部・師長)に命じられたら、それに従わなければいけません。
異動を命じられたのに、それに従えないのであれば、基本的には退職するしかないでしょう。
だから、異動を希望していないのなら、異動メンバーに選ばれないようにすることが大切です。
これから異動メンバーに選ばれないためにできる3つのことをご紹介します。
この3つのことをやっていれば、絶対に異動を回避できるというわけではありませんが、異動に選ばれる確率を下げることはできるはずです。
部署で役立つタイプになる
まずはその部署で役立つタイプになりましょう。
仕事ができるタイプになれば、異動メンバーには選ばれにくくなります。
その部署で専門性を活かせるスキルアップ・キャリアアップをしたり、リーダーやチームリーダーを引き受けたり、係や委員会の仕事をやったりなどなどですね。
なんでも引き受けて馬車馬のように働くというわけではありませんので、その点は注意してください。
異動したくないために、キャパオーバーになる必要はありません。
ただ、「あの人仕事ができるよね。あの人がいると助かるよね」と思ってもらえるような看護師を目指しましょう。
師長に嫌われない
異動メンバーに選ばれないためには、師長に嫌われないことも大切です。
師長のイエスマンになるわけではありません。
- 部署内のトラブルメーカーにならない
- シフトでわがままを言わない
- 遅刻や欠勤をしない
- 無駄口を叩かず、真面目に働く
これだけでOKです。
真面目に誠実に働いていれば、師長はあなたのことを「この部署に必要な看護師」と思ってくれるでしょう。
「この部署が良い」ことをアピール
最後に、師長との面談などで、「この部署が良い」ことをアピールしておきましょう。
「異動したくない」、「ほかの部署に行きたくない」という切り口ではなく、「この部署の仕事にやりがいがある」、「ここでの看護の専門性を深めていきたい」などのポジティブな切り口でアピールしたほうが良いです。
看護師が異動で選ばれてしまったら覚悟を決める
看護師が異動メンバーに選ばれないためにできる3つのことを紹介しましたが、どんなに頑張っても異動を命じられることはあります。
これは、仕方ありません。
そして、異動を命じられたら拒否はできませんので、覚悟を決めて異動するしかありません。
異動することで、新しいスキル・知識を身につけることができますし、視野が広がって自分の新しい可能性に気づくことができることもあります。
覚悟を決めて前向きな気持ちで異動をしても、どうしても異動先が合わないというのであれば、「看護師の異動先が合わないから辞めたい…人間関係やミスでストレス」を読んでみてください。
まとめ
看護師の異動は誰が決めるのか、また選ばれる人はどんな人なのかをまとめましたが、いかがでしたか?
病院で働いている看護師は、異動を避けることはできません。
でも、異動のリスクを下げることはできます。
異動したくない人はまずはできることをやってみて、それでも異動メンバーに選ばれて、異動先が合わないなら、転職などの解決法を考えると良いでしょう。
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