ハローワークで看護師が転職で求人を探すのはありなのでしょうか?ハローワークで求人探しをしようと思っている看護師さんは、ちょっと待ってください!
まずは、今から説明することを読んでからハローワークに行くようにしましょう。そうしないと、思わぬブラック病院に捕まってしまうことになるのです。
目次
ハローワークで看護師の求人はあるの?そもそもハローワークって何?
ハローワークで看護師の求人はあるのでしょうか?また、そもそもハローワークって何でしょうか?
ハローワークという言葉は聞いたことがあるけれど、看護師として働いていると、あまり縁がない場所だと思います。
ハローワークとは厚生労働省が運営する公共職業安定所のことです。一昔前は職安なんて言われていましたね。
求人を紹介して雇用を促進したり、職業訓練などを行って就職支援を行っていて、東京や大阪、埼玉、北九州などの大都市以外にも、全国各地に544ヶ所も設置されています。
ハローワークはありとあらゆる職業の求人を扱っていますので、看護師の求人も、もちろん取り扱っています。准看護師の求人もハローワークで探すことができます。看護師のパートの求人もあります。
また、社会人経験者が看護師の資格を取得する場合には、職業訓練の一環として専門実践教育訓練給付金を支給してくれる制度もあるのです。
退職後に失業手当の手続きをするのも、ハローワークですね。
ハローワークで看護師が転職で求人を探すメリット
ハローワークで看護師が転職で求人を探すメリットは何でしょうか?ハローワークを使って、看護師の求人を探す2つのメリットをご紹介します。
無料で探せる
看護師が転職する時にハローワークで求人を探すメリットは、無料で求人を探せることです。
ハローワークは、国が行っている職業紹介サービスですので、求人を出すほうも無料で出せますし、求人を探すほうも無料で探すことができます。
公的機関で安心感がある
ハローワークは、厚生労働省が運営しています。つまり、国の公的機関です。
民間の会社だと、「悪徳業者じゃないかな?」とか「騙されないかな?」という心配があるかもしれませんが、ハローワークならそのような心配もなく、安心して使うことができるのです。
ハローワークで看護師が転職で求人を探すデメリット
ハローワークで看護師が転職で求人を探す場合、メリットだけではなく、デメリットもきちんと確認しておかなくてはいけないのです。実は、ハローワークには思ったよりもたくさんのデメリットがあります。
このデメリットを知らずに、「ハローワークなら、公的機関で安心だし!しかも、無料だし!」と思って求人を探し、転職をすると、思わぬブラック求人に引っかかってしまうことがあるのです。
ハローワークの相談員は基本的に素人
ハローワークで看護師が転職で求人を探すデメリットの1つ目は、ハローワークの職員は基本的に、看護師の転職に関しては素人であることです。
ハローワークには就職・転職の相談に乗ってくれる相談員がいます。相談員は、産業カウンセラーという資格を持っていたり、会社の人事業務を行っていた人が多いですが、非正規雇用の人がほとんどです。
非正規雇用ということは、ハローワークの相談員の仕事を専門に行ってきたわけではないということです。
つまり、就職・転職や企業人事の知識はある程度あるけれど、就職・転職相談のプロというわけではないのです。言い方は悪いですが、素人がやっているのとほとんど変わりません。
しかも、ハローワークは、ありとあらゆる種類の職業の求人を扱っています。医療・福祉分野だけでなく、一般事務やIT系、販売、サービス、保安、工場のライン作業、輸送、運搬、清掃、建設・土木系、さらには農林水産業の求人もあります。
ハローワークの中では、看護師という職業は、ごく一部でしかないのです。ということは、ハローワークの相談員は看護師業界のことは、ほとんど知りません。
看護師業界は、かなり特殊です。看護師が転職する時には、給料やボーナス、勤務時間、年間休日数など一般的な情報以外にも、知りたいことはたくさんありますよね。
たとえば、夜勤中にはきちんと仮眠は取れるのか、夜勤は何人体制なのか、どんな疾患の患者さんが多いのか、緊急入院は1日何件くらいあるのか、介護業務はどのくらい行うのかなどなど。
これらのことをきちんと調べて、納得してから転職しないと、「こんなはずじゃなかったのに。転職失敗だ!」ということになってしまいます。
でも、ハローワークの相談員は看護業界のことは詳しくない素人同然の人ばかりです。
看護師業界に詳しくない人にとっては、夜勤に関することや疾患の種類、緊急入院の件数、介護業務の有無などは、そんなに重要だと思えないですし、そもそも何のことを言っているのか理解できないこともあります。
そのためこれらの看護師なら知っておきたい求人情報のことを尋ねても、「ちょっとわかりませんね。」とか「たぶん大丈夫です。」と言われて終わりになる可能性があります。
ブラック求人がゴロゴロある
ハローワークのデメリットは、ブラックな求人がゴロゴロあることです。「ハローワークって、厚生労働省が管轄しているんだから、ブラックな求人は少ないはず!だって、国が管理しているんだもん。安心だよね!」と思っている人もいるかもしれません。
それは、大きな誤解です。国(厚生労働省)が運営・管轄しているからこそ、ブラックな求人があるのです。
国が運営している公的機関のハローワークは、法律に違反している求人でなければ、「お宅はブラックでしょ?うちでは取り扱いませんよ。」と取り扱いを拒否することはできません。
法律スレスレの完璧にブラックな求人でも、ハローワークで取り扱ってもらいたいとの申し込みがあれば、取り扱わなければいけないのです。
だから、ハローワークではブラックな求人がゴロゴロしているんです。
もう1つ、ハローワークでブラックな求人が多い理由があります。それは、求人を出している事業主も無料でハローワークを利用できることです。
民間の求人紹介会社の場合、求人を探す側は無料で利用できますが、求人を出す事業主側は求人紹介会社にお金を払わなくてはいけません。
求人紹介会社を通じて求人を出している法人(医療施設・介護施設)は、「お金を払ってでも、良い人材が欲しい」と思っているのですが、ハローワークでしか求人を出さないところは、「人材を雇用するのに金なんて使いたくない!」と思っているところです。
「採用しても、どうせすぐに辞めてしまうんだから、毎回お金を出したくない。」と思っている医療施設や介護施設はハローワークでしか求人を出さないのです。
採用後、すぐに辞めてしまう人が続出するのは、労働環境が悪いブラックな職場の証拠ですよね。
人材雇用にお金をかける職場とかけない職場、どちらがブラックの可能性が高いかは、言うまでもありません。ハローワークの求人が全部ブラックというわけではありません。ハローワークにしか求人を出さない法人も、ホワイトな職場のところはあります。
また、ハローワークにも求人紹介会社にも、どちらにも求人を出しているところもあります。
ただ、このような理由でハローワークはブラックな求人が多めであることは知っておかなくてはいけません。
しかも、先ほど説明したように、ハローワークの相談員は基本的に素人なので、どれがブラック求人なのかわからない可能性が高く、ブラックなのに「これは、良い求人だと思いますよ」のようにブラック求人を勧められてしまうこともあるのです。
求人情報と実際の労働環境が違うことがある
ハローワークのデメリットの3つ目は、ハローワークで紹介してもらった求人情報と実際の労働環境が違うことがよくあることです。これも、ある意味、ブラックな求人が多いという証拠かもしれません。
ハローワークの求人に掲載されていた給料や休日数、業務内容、平均残業時間と、実際に働いてみての給料・休日数、業務内容、平均残業時間が違ったというケースですね。
厚生労働省の発表によると、平成24年度のハローワークへ苦情の中で、求人票の記載内容と実際の労働条件が違ったというものは7783件もあったそうです。
「これって法律違反じゃないの?労働基準法は?」と思いますよね。でも、ギリギリセーフで、法律違反ではないんです。
厚生労働省のホームページhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken02/sonota.htmlから引用します。
「労働基準法第15条には、労働条件の明示が定められていますが、この条文で言う労働条件の明示とは労働者個々人に対して書面で明示される労働条件のことです。つまり、求人誌やハローワークに掲載されている求人票はあくまでも募集の際に提示する労働条件の目安であり、労働基準法第15条で定める労働条件の明示には該当しません。」
つまり、「ハローワークの求人票には、目安程度の情報で良いので、軽いウソが混じっていてもOKですよ」と厚生労働省が許可しているようなものなのです。
だから、「4週8休で月収30万~」とハローワークの求人票に書いてあっても、実際は4週6休で月収25万円でも、明らかな法律違反というわけではないんですね。
ハローワークに出向かなければいけない
ハローワークのデメリットの4つ目は、ハローワークを利用するためには、ハローワークに出向かなければいけないことです。
ハローワークの求人票はインターネットで検索・閲覧することができますが、実際に求人に応募するためには、ハローワークに出向かなければいけません。
ハローワークは、544ヶ所も設置されていますので、自宅から行ける範囲にあることが多いと思います。でも、バスや電車を使って出向かなければいけないと思うと、ちょっと気が重いのではないでしょうか。
ここで、ハローワークを使って、転職するための流れを簡単にご紹介しておきます。
1.ハローワークに行って、求職申し込みをする
2.求人を検索する(自宅でもOK)
3.相談員に相談する
4.求人を紹介してもらって、紹介状をもらう
5.面接をする
6.採用or不採用
これがハローワークでの転職の手順です。1日で求人を決めて申し込みをするところまで行くことはほぼないので、最初に求職申し込みをして、次に求人を決めて紹介してもらうことになるので、最低でも2回はハローワークに行かなくてはいけないことになります。
しかも、ハローワークの窓口の利用時間は平日の8時30分~17時15分です。ということは、働きながら転職活動をしたいという人にとっては、不便極まりなく、夜勤明けでフラフラしながらハローワークに通ったりしなければいけないことになります。
ハローワークで看護師が転職する時に、ハローワークのデメリットをすべて軽減する2つの道
ハローワークで看護師が転職するデメリットを見て、「あれ?ハローワークって使わないほうが良いの?」と心配になったかもしれません。でも、そんなことはないんですよ。
やっぱり、ハローワークは厚生労働省が運営しているので、安心感がありますから。それに無料なんですから、使わないと損です。
ただ、何も考えずに、「ハローワークなら、良い求人を紹介してもらえるはず!」と思って転職すると、痛い目を見るリスクがあるというだけです。
看護師がハローワークを使って転職するなら、ハローワークのデメリットを軽減する2つの道を知っておきましょう。
ご紹介する2つの道のどちらかを選択すれば、ハローワークの4つのデメリットをすべて軽減することができます。
手間暇惜しまず、自分で頑張る
看護師がハローワークを使って転職するなら、手間暇を惜しまずに、自分で頑張ることです。ハローワークの相談員は、看護師にとってはいまいち頼りにならない存在です。
それなら、相談員に頼らずに自分で頑張るしかありません。気になる点は全部自分で調べて、ブラック求人なのかどうかをチェックするようにすれば、ハローワークを使っても、ブラック求人に騙されることはありません。
ハローワークを使うなら、紹介状をもらう以外のことは、全部自分で転職活動を行うくらいの意気込みが必要になります。
そうすれば、ハローワークの4つのデメリットは、あまり気にならなくなりますし、転職に失敗する可能性も低くなるでしょう。
民間の転職サイトを併用する
看護師がハローワークを使うなら、ハローワークだけを使うのではなく、民間の転職サイトを使うと良いでしょう。ナース専用の転職サイトはたくさんあります。
「民間の転職サイトって大丈夫なの?」という不安もあると思います。
民間の転職サイトは、求人を出す側(雇用側)はお金を払う必要がありますが、求人を探す側なら、無料で利用できます。
また、大手の看護師専用の転職サイトは、厚生労働省から認可を受けて事業を行っていますので、怪しいことはありません。
転職サイトの中には、厚生労働省から「職業紹介優良事業者」の認定を受けているところもありますので、安心して利用することができるのです。
民間の転職サイトはハローワークのデメリットを補ってくれる存在ですので、ハローワークと民間の転職サイトを併用すると、ブラックな求人に引っかかりにくくなるのです。
なぜ、民間の転職サイトと併用すると、ハローワークの4つのデメリットを軽減できるのか、その理由は次で詳しくご紹介します。
ハローワークで看護師が転職時に求人を探すには、転職サイトとの併用が良い理由
看護師がハローワークで転職時に求人を探すなら、自分で頑張るか、民間転職サイトを併用するのが良いのですが、ナースは忙しいので、自分で頑張るというのは現実的ではありません。
何より、できれば楽に転職したいですよね。自分で頑張るのは良いことですが、自分でできることには限界がありますから。
たとえば、「求人票に載っていることって、本当ですか?実際は違うんじゃないですか?」なんて、これから面接を受ける予定のところに自分で聞くことなんてできません。
だから、ナースはハローワークを使いながら、楽にしかも確実にブラック求人を避けて転職するためには、転職サイトとの併用がおすすめなのです。
なぜ、ハローワークと転職サイトを併用すると良いのか、その3つの理由をご紹介します。
転職サイトのコンサルタントは全員プロフェッショナル
ハローワークと転職サイトを併用すると良い理由の1つ目は、転職サイトのコンサルタントは全員プロフェッショナルであることです。
ハローワークの相談員はナース業界に詳しくなく、しかも非正規雇用で、素人に近いような人たちばかりです。
でも、転職サイトのコンサルタント(相談員)は、全員プロです。しかも、看護師の転職のプロなので、看護師がどんなことを望んでいるか、どんな転職先を求めているかをわかっています。
ハローワークの求人情報で気になったことは、すべてコンサルタントがきちんと調べてくれるので、ブラックな求人を確実に避けることができるのです。
もし、ハローワークに出ている求人の中で転職サイトで扱っていない求人が気になる時には、逆指名制度を使って、その職場を調べてもらうことも可能です。
看護師の転職サポートのプロがその求人について詳しく調べてくれるので、求人票の情報と実際の労働環境に差があるかどうかも事前に把握しておくこともできます。
また、履歴書の書き方や面接対策も、看護師という職業を考慮した実用性があり、役に立つアドバイスをしてくれるので、自信を持って面接を受けることができるのです。
自宅でメールと電話だけでOK
ハローワークと転職サイトを併用するべき理由の2つ目は、転職サイトなら、電話やインターネットがあれば、自宅にいるだけで転職活動が可能です。(もちろん、面接するためには、転職先の職場に出向く必要はありますが)
ハローワークだけを使って転職すると、忙しい人はなかなかハローワークに出向くことができず、希望の時期に転職できない可能性もあります。
でも、転職サイトはスマホ1台で転職先の求人を選び、紹介してもらうことができるんです。
しかも、電話対応の時間も土日でもOK、夜間でもOKとしている転職サイトが多いです。
つまり、日勤後の夜でも、通勤中でも、仕事の休憩中でも転職活動を進めていくことができます。
ハローワークに出向けなかったとしても、求人で気になる点は転職サイトで調べることができて、ハローワークに出向く回数を減らすことができます。
忙しい看護師さんも、時間や手間を節約しながら転職活動ができますので、仕事と転職活動を同時進行で進められるのです。
選択肢が増える&求人の質が高い!
ハローワークと転職サイトを併用するべき理由の3つ目は、求人の選択肢が増えて、さらに転職サイトは求人の質が高いことです。
ハローワークと転職サイトを併用すれば、ハローワークの求人+転職サイトの求人から選ぶことができますので、単純に選べる求人数が増えます。
転職サイトでは、先ほど説明した逆指名制度を使うこともできますので、求人選びの幅がぐっと広がるのです。
しかも、転職サイトが扱っている求人は、「お金を出してでも、良い人材が欲しい」と思っている医療施設・介護施設です。
つまり、人材発掘に力を入れていて、職員を大切にしてくれるところなのです。
また、転職サイトは非公開求人を扱っています。これが、ハローワークとの一番の違いかもしれません。
非公開求人とは一般には公開されておらず、登録をしてコンサルタントにお願いした時にだけ出てくる求人のことです。
非公開求人は好条件のものが多く、一般公開すると、応募が殺到して収拾がつかなくなる可能性があるため、非公開にされています。
ハローワークと転職サイトを併用すると、求人の選択肢が増えて、さらに質の高い求人を見つけられる可能性が高くなるのです。
まとめ
ハローワークを使って看護師が転職をするメリットとデメリット、デメリットを軽減する2つの道をまとめました。ハローワークはメリットもありますが、デメリットも大きく、一歩間違うと、ブラックな職場に転職する羽目になります。
ホワイトな職場に転職するためには、ハローワークと転職サイトを併用して転職すると良いでしょう。
看護師人生を左右する大きなターニングポイントとなる転職は、絶対に失敗できません。だからこそ、厚生労働省が運営する安心感抜群のハローワークと、実用性抜群の転職サイトを併用して、転職活動を進めていきましょう。