新人看護師の初任給はどのくらいか知っていますか?看護師の給料は高いと言われているから、初任給も期待できるはず!と思っているかもしれません。
でも、新人看護師の初任給は決して高くはありません。新人看護師の初任給と初任給が高い職場、初任給が低い時の対策をまとめています。
目次
新人看護師の初任給が高いなんて嘘なんです!
新人看護師の初任給はどのくらいか知っていますか?世間一般では、「看護師の高給取り!」と言われていますので、初任給もさぞかし高いはずと思っているかもしれません。
でも、それは大きな誤解です。新人看護師の初任給は、そんなに高くありません。一般OLと同じ程度です。
では、看護協会の「2022年 病院看護・助産実態調査 報告書」での新人看護師の平均を見ていきましょう。
- 高卒+3年課程卒=263,711円(基本給203,276円)
- 大卒=271,730円(基本給209,616円)
助産師の初任給のデータはありませんが、大卒看護師と同じか、それよりもやや高めにしている病院が多いですね。
この給料データは、新人看護師の月収ですので、厳密に言うと初任給ではありません。初任給は、これよりも低くなります。なぜなら、初任給には夜勤手当や時間外手当はほぼつかないからです。
高卒+3年課程卒の263,711円、大卒の271,730円は税込の給与総額です。つまり、夜勤手当や時間外手当が含まれています。
新人看護師の初任給はいつもらえるのか?それは4月25日か30日など4月の下旬に支給されることが多いですよね。
新人看護師で4月から夜勤にバリバリ入って、残業もたくさんするというケースはほとんどありません。4月はまだ日勤のみで、残業もほぼないというところが多いと思います。
ということは、夜勤手当や時間外手当はほとんどつかず、基本給とほぼ同じ程度の給料しかもらえないことになります。つまり、20万円前後ですね。
だから、新人看護師の初任給は決して高くはありません。むしろ、「こんなに大変なのに、これしかもらえないの?」とガッカリすることが多いんです。
新人看護師の初任給が高い職場をランキング形式で紹介
新人看護師の初任給が高い職場を日本看護協会のデータからランキング形式で紹介します。
先ほどの日本看護協会の「2022年 病院看護・助産実態調査 報告書」での設置主体別の新人看護師の給料は、高卒+3年課程の場合はその他の法人が一番高いという結果が出ています。
その他の法人とは一般社団法人、一般財団法人、宗教法人の病院です。
では、ここで「2022年 病院看護・助産実態調査 報告書」をもとに設置主体別の新人看護師の給料が高い職場ランキングをご紹介します。初任給は基本給に近いので、高卒+3年の基本給を基準にしています。
第1位 その他の法人
- 高卒+3年課程卒=278,136円(基本給207,435円)
- 大卒=285,692円(基本給213,486円)
第2位 個人
- 高卒+3年課程卒=275,230円(基本給201,550円)
- 大卒=278,971円(基本給204,088円)
第3位 私立学校法人(私立大学病院)
- 高卒+3年課程卒=273,771円(基本給207,836円)
- 大卒=282,250円(基本給214,934円)
第4位 社会福祉法人
- 高卒+3年課程卒=270,350円(基本給200,399円)
- 大卒=277,578円(基本給206,059円)
第5位 社会保険関係団体
- 高卒+3年課程卒=269,905円(基本給216,178円)
- 大卒=279,711円(基本給225,702円)
第6位 済生会
- 高卒+3年課程卒=267,947円(基本給208,826円)
- 大卒=277,453円(基本給216,837円)
第7位 国立
- 高卒+3年課程卒=263,759円(基本給201,091円)
- 大卒=276,835円(基本給210,693円)
第8位 医療法人
- 高卒+3年課程卒=263,655円(基本給200,876円)
- 大卒=270,134円(基本給206,041円)
第9位 公益法人
- 高卒+3年課程卒=263,468円(基本給199,160円)
- 大卒=271,090円(基本給204,126円)
第10位 公立
- 高卒+3年課程卒=259,721円(基本給208,279円)
- 大卒=270,022円(基本給216,651円)
第11位 日本赤十字社
- 高卒+3年課程卒=258,355円(基本給215,847円)
- 大卒=268,190円(基本給222,222円)
第12位 会社
- 高卒+3年課程卒=254,555円(基本給206,836円)
- 大卒=274,139円(基本給220,083円)
第13位 その他公的医療機関
- 高卒+3年課程卒=256,688円(基本給206,343円)
- 大卒=267,425円(基本給213,395円)
第14位 医療生協
- 高卒+3年課程卒=253,608円(基本給202,460円)
- 大卒=259,098円(基本給205,181)
第15位 厚生連
- 高卒+3年課程卒=249,262円(基本給200,725円)
- 大卒=260,236円(基本給207,738円)
この新人看護師の給料ランキングを見て、驚いた人も多いのではないでしょうか?そうです。給料が高いと言われている公務員看護師の給料が低いことです。
公立病院や国家公務員の給料に準ずる国立病院機構の新人看護師の給料は、決して高くはありません。むしろ、低いほうです。
個人病院の初任給が高いのも驚きですね。
新人看護師は初任給が低いなら、今のうちに高い職場に転職してみては?
新人看護師は初任給が平均よりも低くてガッカリしているなら、今のうちに給料が高い職場に転職するのも良いと思います。
公務員以外で初任給が低い場合、今後働いても給料が大幅に上がる可能性は非常に低いので、ずっと給料は低いままになります。
給料が高い職場と給料が低い職場で、それぞれ10年働いたら、どれだけの差が出るでしょう?たとえ、毎月の基本給の差が1万円だとしても、1年で12万円、10年で120万円の差になります。
10年で120万円。とても大きな差ですよね。
しかも、これは月給だけの差になります。もし、給料が高い職場と低い職場、それぞれボーナスが同じ3ヶ月分と仮定すると、ボーナスは基本給をベースにしているので、1万円の給料差は年間3万円、10年間で30万円の差を生むことになるのです。
だから、少しでも損を減らすためには、今のうちに転職してしまったほうが良いのです。
新人看護師が給料目的に転職するなら昇給率にも着目して!
新人看護師が初任給が低いから転職を考えているなら、新人看護師の今の給料が高いかどうかだけではなく、将来的な給料は高いのかも考えて転職先を決めましょう。
新人看護師の今が高くても、給料がほとんど上がらなかったら、結局は損をすることになりますし、仕事へのモチベーションは上がりません。
逆に、新人時代の給料が高くなくても、昇給率が高くて、給料がどんどん上がる病院の方が生涯年収は高くなりますし、仕事へのモチベーションも高くなりますよね。
では、昇給率が高い病院はどこかを日本看護協会の「2022年 病院看護・助産実態調査 報告書」の勤続10年・31~32歳の非管理職の看護師給料のデータから見ていきましょう。
まずは、先ほどの設置主体別の新人看護師の給料が高い病院TOP5です。
<設置主体別新人看護師の給料が高い病院>
- 第1位:その他の法人
- 第2位:個人
- 第3位:私立学校法人(私立大学病院)
- 第4位:社会福祉法人
- 第5位:社会保険関係団体
<設置主体別勤続10年看護師の給料が高い病院>
- 第1位:私立学校法人(私立大学病院)
- 第2位:会社
- 第3位:日本赤十字社
- 第4位:社会保険関係団体
- 第5位:国立
新人看護師の時に給料が高いその他の法人は勤続10年では第9位、個人病院は第13位になります。
つまり、昇給額は低いということです。
逆に昇給率が高いのが、新人看護師の時は給料ランキング下位だった日本赤十字社や会社(企業立病院)、国立ですね。
公立病院は国立に次ぐ第6位なので、昇給率は高いです。
そして、初任給も高いし、昇給率も高いのが私立大学病院や社会保険関係団体になります。
ということは、新人看護師が初任給の低さを理由に転職するなら、
- 私立大学病院
- 社会保険関係団体
- 日本赤十字社
- 企業立病院
- 国立の病院
- 公立病院
などがおすすめということになります。
新人看護師が初任給が低いから転職するなら、やはり先ほど言ったように私立大学病院がおすすめです。私立大学病院は初任給も高めで、昇給率も高めです。
また、長く勤められる自信があるなら、昇給率が高い国立や公立の病院も良いでしょう。
初任給にガッカリして転職する人は、ボーナスにこだわるのも忘れないでください。ボーナスは1年目の年収にはそれほど関係ないので、うっかり忘れがちになりますが、2年目以降の年収には大きく響いてくるものです。
1年目は夏のボーナスがないので、そこまで気にしないことがあると思います。でも、2年目以降は夏も冬も支給されます。
基本給が20万円だとすると、ボーナスが2ヶ月分だと40万円。5ヶ月分だと100万円になります。だから、新人看護師が給料目的で転職するなら、ボーナスも気にするようにしましょう。
先ほどからおすすめしている私立大学病院はボーナスが5ヶ月分以上出るところが多いですし、赤十字病院や国立・公立の病院は4ヶ月分前後出ますので、そういう意味でも、赤十字病院、私立大学病院や国立・公立の病院はおすすめなのです。
新人看護師は初任給が低くて転職するなら、働きやすさも重視して
新人看護師は初任給が低いから、転職する場合、給料だけを考えると私立大学病院や国立・公立病院への転職をおすすめします。
でも、給料だけを考えて転職すると、たとえ給料が高くても、転職後に後悔する可能性があることを知っておきましょう。
私立大学病院や国立・公立病院は確かに給料は高めです。でも、高度な医療を行っていて、とても忙しく、残業ばかりのことが多いのです。そのせいで、人間関係が殺伐としているところも珍しくありません。
そのような職場に新人看護師が給料目当てで転職すると、仕事についていけず、心身ともに消耗して、転職を後悔する可能性が高いです。
それなら、給料はずば抜けて高いわけではなく、平均より少し高め程度だけど、人間関係が穏やかで、残業が少なめの200床くらいの中規模病院の方が合っている新人看護師もいると思います。
それに、中規模病院の中には、ボーナスが大規模病院並みかそれ以上のところもあるんです。
とにかく給料アップを狙って大規模病院に転職するか、給料はそこそこに良くて、働きやすい中規模病院に転職するかはあなたの価値観次第です。
ただ、給料だけがすべてではないことは知っておいてください。
まとめ
新人看護師の初任給の平均や初任給が高い職場、初任給が低い時の対策をまとめましたが、いかがでしたか?
新人看護師の初任給は、期待するとガッカリしてしまいますので、それほど期待しないようにしましょう。でも、あまりにも低い時には、新人看護師のうちに給料が高い病院に転職することを考えても良いと思います。
また、給料はそこそこ高くて働きやすい病院への転職も視野に入れておきましょう。
転職を考えている新人看護師は、転職サイトを使うと良いですよ。
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特に、給料はそこそこ高くて働きやすい病院への転職を考えている人は、中規模の病院を中心に求人を探すことになりますが、中規模病院はホワイトな職場がある一方で、ブラックな職場も珍しくありません。
ブラックな中規模病院に引っかからないためにも、病院内部の情報を持っているコンサルタントに相談しながら、求人探しをすべきなのです。