「手術室の看護師の給料ってどのくらいなんだろう」、「専門性が高いから、給料も高い気がする」と手術室勤務の看護師の給料に関する疑問や期待を持っている人は多いと思います。
手術室の看護師の給料は、病棟や外来とは違って特殊なところがあるのは事実です。
今回は、手術室の看護師の給料の実態やその内訳などを徹底的に調査しました。手術室で働きたい看護師は、ぜひチェックしてください。
手術室の看護師の給料の実態
手術室の看護師の給料はどのくらいなのかを、夜勤(当直)ありと日勤のみの2パターンで調査しました。
- 夜勤あり:給料30~34万円、年収約482万円
- 日勤のみ:給料28~31万円、年収約445万円
※出典:看護Roo!
本当にこのくらいの給料・年収を稼ぐことができるのかを看護師転職サイトの求人と比較してみましょう。
- 給料:35.2万円~(経験3年目)
<東京都の二次救急病院(400床規模・当直制)>
- 給料:28.2万円~29.9万円
- 年収:425万円~445万円
<京都府の二次救急病院(150床規模・オンコール制)>
- 給料:28.2万円~29.9万円
- 年収:425万円~445万円
<福岡県の眼科専門病院(60床規模・日勤のみ・日祝休み)>
※出典:マイナビ看護師(2023年6月時点)
この求人と上記の手術室の看護師の平均給料のデータを比べると、多少の違いはありますが、求人データの方には残業代が入っていないことなどを考慮すると、手術室で勤務すると、給料は夜勤ありなら30~34万円、日勤のみなら28~31万円を稼ぐことができると考えて良いでしょう。
手術室の看護師の給料は手当をチェックすべき!
手術室の看護師の給料は、夜勤ありなら30~34万円、日勤のみなら28~31万円ということがわかりましたが、次はこの月給の内訳を詳しく説明していきます。
- 手術室の看護師の給料は手当がたくさんつく
- オンコール手当は割に合わないこともあるので注意!
手術室の看護師の給料は手当がたくさんつく
手術室の看護師の給料は、「手当」が大切になります。手術室の看護師の給料につく手当は、病棟や外来勤務の看護師にはつかないものがたくさんあるんです。
- オペ室手当
- オンコール手当
- 危険手当
このような手当が手術室で働くと付きます。
東京都の二次救急病院(250床規模・オンコール制)の経験5年の看護師の給料の内訳を見てみましょう。
- 給料:306,500円(経験5年)
- 年収:462万3,000円
- 基本給・地域手当:270,000円
- オペ室手当:12,500円
- 住宅手当
<東京都の二次救急病院(250床規模・オンコール制)>
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月給:306,500円(内訳)
※別途、オンコール手当(2,000円/回)あり
オペ室手当
オペ室手当は、オペ室で働くことに対して支給される手当のことです。オペ室は専門的なスキルが必要になるため、オペ室手当がつくことが多いんです。
オンコール手当
ほとんどの病院のオペ室は、夜勤がありません。その代わり、緊急オペが入った時のために、オンコール当番や当直当番という勤務体制にしているところがあります。
オンコールは自宅で待機していて、呼び出されたらすぐに病院に駆けつけなければいけません。
当直当番は、病院内で待機していて、緊急オペに備える勤務ですね。
危険手当
上記の月給の内訳例では危険手当がついていませんが、手術室で働くと危険手当が支給されることがあります。
この危険手当は、危険な業務をする看護師に支給される手当です。
オペ室では血液や体液の曝露のリスクが高いため、危険手当が支給されるのです。
病院によっては、オペ室手当に危険手当が含まれることもあります。
オンコール手当は割に合わないこともあるので注意!
手術室の看護師の給料は、いろいろな手当がつきます。
ただ、注意すべきはオンコール手当です。オンコール当番をすると、オンコール手当がつきます。
そのため、オンコール当番が多いと、それだけ給料が上がるということになりますが、割に合わないこともあるので注意が必要です。
実は、ほとんどの病院のオンコール手当は、ものすごく安いんです!
先ほどの内訳例を見てください。
オンコール手当は1回2,000円です。
自宅で待機しているだけで2,000円を貰えるなら良いかも!と思うかもしれませんが、それは間違いです。
オンコール当番の日は携帯を肌身離さず持っていなければいけません。
すぐに働けるように、アルコールを飲んではいけません。
連絡があってから30分~1時間以内に病院に到着しなければいけないので、少し離れたところにショッピングや食事に出かけることもできないんです。
オンコール当番は行動を制限されますし、いつ呼び出されるかわからないというストレスもあります。
この行動制限とストレスが2,000円の価値があるかないかは、人それぞれですが、割に合わないと感じることも多いと思います。
だから、手術室で働く看護師はオンコールなし(待機番なし)のところか、オンコール手当が納得できる金額のところを探すべきだと思います。
手術室の看護師が給料をアップさせる2つの方法
手術室の看護師の給料は、病棟よりも低めになるのは、ある意味仕方がないかもしれません。
夜勤がない分、手術室勤務はどうしても給料が安くなってしまいます。
夜勤・当直があっても、病棟勤務よりは夜勤・当直の回数は少なくなりますから。
- とにかく稼ぎたいなら残業が多い手術室へ!く
- 現実的には調整手当で給料アップがおすすめ
とにかく稼ぎたいなら残業が多い手術室へ!
先ほど手術室の看護師の平均給料のデータをご紹介しましたが、あのデータはあくまでも平均です。
もっと稼いでいる手術室の看護師はたくさんいます。
あのデータでは夜勤ありの手術室看護師の年収データは320~770万円とは幅が非常に大きかったんです。
では、どうやったら手術室で高年収を狙い給料をアップさせることができるのか?
それは、残業代です。
年収550万円以上を稼いでいる手術室の看護師さんの多くは、残業代だけで70,000円以上(月30時間以上)でした。
逆に年収が400万円程度で給料が高くない手術室の看護師さんの多くは残業代は0円~5,000円程度です。
ということは、手術室勤務で給料をアップさせたいなら、緊急手術・イレギュラーな手術が多く、残業が多い手術室の病院に転職すれば良いということになります。
現実的には調整手当で給料アップがおすすめ
手術室の看護師は残業代で給料アップを狙えるのはわかったし、そのような看護師さんも実際にいるのは分かったけれど、残業はできるだけしたくないですよね。
残業をガツガツしてまで給料を稼ぎたくない。
そんなにきつい職場では働けない。
こう思うのは当然のことです。
誰だって残業はしたくありませんから。
では、どうやって手術室の看護師は給料をアップさせるのか?
それは給料交渉です。
もしあなたが手術室勤務の経験があるなら、交渉次第で最初に提示された給料額よりもアップさせることができる可能性があります。
なぜなら、手術室はほとんどの病院で看護師不足が深刻だからです。
手術室一筋で行く看護師はとても少ないです。
みんな2~3年で病棟・外来に異動してしまいます。
しかも、手術室勤務を希望する看護師も少ないです。
手術室で必要とされるスキルは特殊なので「私にはハードルが高い」と思ったり、「やっぱり患者さんとコミュニケーションをとりながら看護したい」と思って手術室を敬遠する看護師が多いからですね。
だから、手術室勤務経験がある即戦力になる看護師は高い給料を払ってでも確保したいと病院は思っているんです。
そのため、手術室経験がある看護師は、交渉すると、大幅な給料アップを狙うことができます。
この交渉がうまくいくと、「調整手当」という形で給料をアップさせてくれます。
この調整手当の金額は、あなたのスキルと病院の需要や考え方、そして交渉次第です。
うまくいけば50,000円以上、調整手当をつけてくれる病院もあります。
調整手当をたっぷりつけてくれるのは、小~中規模の病院です。
手術室経験がある看護師さんは、小~中規模の病院の中から、調整手当をたっぷりつけてくれる病院を選ぶと、大幅な給料アップを狙えるでしょう。
手術室の看護師が給料アップさせるなら転職サイトを使うべき!
手術室の看護師が給料をアップさせたいと思うなら、転職サイトを使って、手術室の求人を探しましょう。
転職サイトに登録すると、転職コンサルタントがオンコール手当やオペ室手当の金額を詳しく調べてくれます。
さらに、給料の交渉もあなたに代わって転職コンサルタントがしてくれますので、転職することで、大幅な給料アップを狙うことができす!