看護師の志望動機の書き始めはどうすれば良いのでしょう?
志望動機の書き始めは、採用の合否を左右するとても大切なものなんです。
志望動機は何から書き始めると良い志望動機になるのかを、例文を参考にしながら一緒に考えてみましょう。
目次
看護師の志望動機の書き始め、まずは志望動機の種類を確認しよう!
看護師の志望動機の書き始めを考える前に、まずは志望動機を構成する要素、つまりあなたがその職場を志望する理由にはどんなものがあるかを考えてみましょう。
志望動機の種類=「好条件や楽なこと」
志望動機の種類の1つ目は、勤務条件が良いことや仕事が楽であることなど、仕事内容以外の待遇に関することです。
「給料が良い」、「年間休日が多い」、「有給消化率が高い」など待遇が良いことを理由にその職場を志望することがありますよね。
また、「介護士さんがいて力仕事がないから」、「デスクワークが中心だし、重症な患者さんがいないから」などの仕事が体力的、または精神的に楽であることを理由に志望する場合もあると思います。
志望動機の種類=「やりがいや興味」
志望動機の種類の2つ目は、仕事内容に興味を持っていたり、やりがいを感じるから志望したという仕事内容に関することです。
「この職場で働けば、スキルアップできるから」、「患者さんに寄り添った看護ができるから」、「理想の看護を追求できる職場だから」などの理由があって、職場を選ぶこともありますよね。
看護師の志望動機には、「好条件や楽なこと」と「やりがいや興味」の2種類があるんです。そして、「好条件や楽なこと」だけ、「やりがいや興味」だけという人はほとんどいなくて、「好条件や楽なこと:やりがいや興味=8:2」や「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」など人によって割合に差はありますが、両方を持っている人が多いですよね。
では、この「好条件や楽なこと」と「やりがいや興味」の2つの理由は、どちらから書き始めると良い志望動機になるのでしょうか?
「どっちから書き始めても良いんじゃない?」と思うかもしれませんが、実は「好条件や楽なこと」と「やりがいや興味」のどちらから書き始めるかによって、面接官が持つ印象は大きく変わってくるんです。
「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」の割合で、「好条件や楽なこと」から書き始めた例文と「やりがいや興味」から書き始めた例文の2つをご紹介しますので、印象がどう違うのか、どちらが好印象なのかを一緒に検証してみましょう。
看護師の志望動機の書き始め、「好条件や楽なこと」から書き始めた場合
看護師の志望動機の書き始めは、「好条件や楽なこと」が良いのか、「やりがいや興味」が良いのかを検証してみましょう!
まずは、「好条件や楽なこと」から書き始めた「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」の割合の例文をご紹介しますので、あなたが採用担当者なったつもりで読んでみてください。
「好条件や楽なこと」から書き始めた志望動機の例文
「貴院では子育て支援制度に力を入れていて、看護師が働きやすい職場作りを目指していらっしゃるので、貴院でなら仕事と私生活のバランスをうまくを取りながら長く勤められると思い志望いたしました。今まで5年間急性期病棟で働いてまいりましたが、さらに急性期看護を深めたい、急性期看護を専門にしたいと考え、最先端で高度な医療を行っている大学病院で働こうと決意いたしました。貴院は最先端の医療を提供しつつも、患者様本位の看護、患者様に優しい看護を理念に掲げていらっしゃいますので、急性期看護を深めつつも、患者様1人1人としっかり向き合った看護を実践できるのではないかと思っております。また、貴院ではレベル別の教育制度が充実していることや、認定看護師・専門看護師の方が多数活躍されていることにも魅力を感じました。貴院のように教育制度が充実していて、看護のプロフェッショナルの方と一緒に働ける環境であれば、大学病院が未経験の私でも、たくさんのことを学び経験し、着実にスキルアップして、看護師として広い視野を持ち成長していきたいと思います。」
「好条件で楽なこと」がクローズアップされる理由
この例文を読んでどう感じたでしょうか?この例文では「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」の割合で書いていますが、本来の割合よりも「好条件や楽なこと」がクローズアップされているように感じませんか?
なぜなら、志望動機の中で「好条件や楽なこと」は「やりがいや興味」よりも印象に残りやすいという特徴があり、「好条件や楽なこと」はクローズアップされることで本来よりも1割増しで聞こえるんです。
そして、「好条件や楽なこと」から書き始めたことでさらにクローズアップされて1割増しの印象になりますから、「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」で書いたとしても、採用担当者が持つ印象は「好条件や楽なこと」が2割増しの「好条件や楽なこと:やりがいや興味=4:6」の割合になってしまうのです。
「好条件や楽なこと:やりがいや興味=4:6」の印象では、仕事へのやる気をアピールすることはできないですよね。
面接官は、「好条件や楽なこと」と「やりがいや興味」がほとんど同じ割合の印象だったら、「この人は、仕事へのやる気はそんなにないでしょ?条件が良いことや楽なことを重視して、仕事への興味はあんまりなさそうだな。こういう人は、採用したくないんだよなぁ」と思うはずです。
そう思われれば、採用は遠のいてしまいますよね。ですから、「好条件や楽なこと」から書き始めるのはNGなんです。
そして、お気づきかもしれませんが、例文では「好条件や楽なこと」の理由に遠回しの表現を使っています。
もし、露骨な表現を使って「好条件や楽なこと」の理由を説明した場合は、「育児休暇はしっかり取ることができますし、年間休日が多くて給料が高く待遇が良いので、看護師が働きやすい職場だから」となります。
露骨な表現を使うと、さらに「好条件や楽なこと」がクローズアップされると思いませんか?露骨な表現を使うことで、「好条件や楽なこと」がさらに1割増しになります。
ご紹介した例文だと「好条件や楽なこと:やりがいや興味=5:5」にになり、さらにやる気のアピールからは遠のいてしまいますので気をつけて下さいね。
看護師の志望動機の書き始め、「やりがいや興味」から書き始めた場合
看護師の志望動機の書き始めは「好条件や楽なこと」が良いのか、「やりがいや興味」が良いのかを考えるために、今度は「やりがいや興味」から書き始めた例文をご紹介します。
「好条件や楽なこと」から書き始めると、「好条件や楽なこと」がクローズアップされて、仕事へのやる気をアピールできないのでNGでしたが、「やりがいや興味」から書き始めるとどうなるのでしょう?
「やりがいや興味」から書き始めた例文
「今まで急性期病院で5年間働いてまいりましたが、もっと急性期看護を専門的に学びたいと考え、最先端で高度な医療を提供している貴院を志望いたしました。貴院は特定機能病院として最先端の医療を行っているだけでなく、患者様本位の看護、患者様目線の看護を理念に掲げ実践していらっしゃいますので、貴院で働かせていただければ、急性期看護を深めつつも、患者様に寄り添った看護ができるのではないかと思っております。大学病院での経験はありませんが、中途採用者にもプリセプターをつけていただけるとのことですし、クリニカルラダー制度に則ったレベル別の研修が充実していると伺っておりますので、貴院で急性期看護を学び、着実に一歩一歩スキルアップして看護師として成長していきたいと思っております。また、貴院では子育て支援制度が整っているなど看護師が働きやすい職場作りを実践していていらっしゃいますので、仕事と私生活のバランスを取りながら、長く勤めていきたいと思います。」
「好条件や楽なこと」がクローズアップされない理由
この志望動機の例文を読んでどう感じたでしょうか?
この例文は、最初にご紹介した「好条件や楽なこと」から書き始めた例文の設定とほとんど同じにしていて、割合も「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」と同じにしています。
でも、「好条件や楽なこと」から書き始めた例文よりも、「好条件や楽なこと」がクローズアップされずに、本来の割合のままの「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」印象が残ったと思います。
前にも説明しましたが、「好条件や楽なこと」は「やりがいや興味」よりも印象に残りやすいので、1割増しに聞こえます。
でも、「やりがいや興味」から書き始めることで、「好条件や楽なこと」の印象を1割減にできるので、プラスマイナスゼロ、つまり本来の割合のままの「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」の印象を残すことができるのです。
「やりがいや興味」が8割あれば、仕事へのやる気をしっかりアピールすることができますよね。
看護師の志望動機で書き始め以外に印象を良くするポイントは?
看護師の志望動機は書き始めを「やりがいや興味」にすることで、「好条件や楽なこと」の印象が薄くなり、仕事へのやる気をアピールすることにつながります。
でも、面接官に良い印象を持ってもらうためには、「やりがいや興味」から書き始めるだけではNGなんです。
バランスの良い建前の割合に整えよう
2つの例文ではわかりやすくするために、本音の割合が「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」である大学病院を志望する設定にしています。
でも、本音の割合が「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」ではない場合もありますよね。
「好条件や楽なこと:やりがいや興味=4:6」の場合もあるでしょうし、職場によっては「好条件や楽なこと:やりがいや興味=8:2」の割合のこともあるでしょう。
本音の割合が「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」以外の場合は、面接用にアレンジして、バランスの良く面接用の建前に整えてあげなくてはいけません。
面接用の建前とは「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」です。この割合なら、例文でお分かりいただけたように、仕事へのやる気をしっかりアピールできるんです。
また、「好条件や楽なこと」を2割だけ入れることで、面接官は「この看護師さんは嘘をつかずに正直に志望動機を書いているな。」と判断しますので、志望動機全体の信憑性が上がるのです。
「好条件や楽なこと」の理由には遠まわしの表現を使おう
ご紹介した2つの例文では「好条件や楽なこと」には遠回しの表現を使っています。
「好条件や楽なこと」から書き始めた例文のときにもご説明しましたが、「好条件や楽なこと」に露骨な表現を使うと、「好条件や楽なこと」がよりクローズアップされるのです。
例文の「好条件や楽なこと」の理由は「子育て支援制度が整っているなど看護師が働きやすい職場で、仕事と私生活のバランスを取れるから」と表現していますよね。
でも、大学病院の「好条件や楽なこと」の理由を露骨に表現すると、「育児休暇はしっかり取ることができますし、年間休日が多くて給料が高く待遇が良いから」となります。
このような表現だと、ちょっとあからさま過ぎますよね。「好条件や楽なこと」の理由に露骨な表現を使ってしまうと、「好条件や楽なこと」が1割増しの印象となりますので、「好条件や楽なこと」はオブラートに包んで、遠回しの表現を使うようにしましょう。
<良い志望動機の3つのポイント>
・「やりがいや興味」から書き始めること
・「好条件や楽なこと:やりがいや興味=2:8」の面接用の建前にする
・「好条件や楽なこと」には遠回しの表現を用いる
でも、「自分では「やりがいや興味」の良い表現が思い浮かばない」、「遠回しの表現って具体的にはどうするの?」という不安を持っている人もいると思います。
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