看護師が大学病院へ転職するなら、大学病院の仕事の特徴や大学病院へ転職するメリットやデメリット、向いている人、求人探しの注意点をチェックしておかなくてはいけません。
大学病院へ転職しようかなと考えている看護師さんは、この記事を読んでから求人探しをすると、転職後に後悔せずに済むはずです。
目次
看護師が大学病院へ転職するなら、大学病院の仕事の特徴を知りましょう
看護師が大学病院へ転職するなら、まずは大学病院の仕事の特徴を知りましょう。大学病院の特徴は、次の3つがあります。
大学病院の仕事の特徴その1=大学病院は基本的に大病院
大学病院の仕事の特徴の1つ目は、基本的に大病院であることです。1000床以上を有する病院も少なくありません。
また、大学病院は本院のほかにいくつかの「支店」のような病院を持っていることも多いんです。本院以外は、精神科専門病院や地域の中核病院として、いわゆる大学病院とは異なる役割を果たしていることが多いですね。
大学病院の仕事の特徴その2=高度で最先端の医療を行っている
大学病院では、高度で最先端の医療を行っています。これも、大学病院の仕事の特徴の1つです。そのため、重症な患者さんが多いですし、珍しい疾患や難病指定されている疾患の患者さんもたくさん入院しています。
大学病院の仕事の特徴その3=研修医が多い
大学病院の仕事の特徴の3つ目は、研修医が多いことです。大学病院は医学部に附属した形のところが多いので、附属の医学部を卒業したばかりの研修医が多く働いています。そのため、採血などは看護師ではなく研修医が行うことが多いんです。
看護師が大学病院へ転職する5つのメリット
看護師が大学病院へ転職する時のメリットは5つあります。大学病院へ転職すると、どんなメリットがあるのかを1つ1つ細かく見ていきましょう。
大学病院のメリットその1=最先端の医療を学ぶことができる
看護師が大学病院へ転職するメリットの1つ目は、最先端の医療を学ぶことができることです。大学病院は高度医療を推進するための特定機能病院の指定を受けていることが多く、積極的に最先端の医療を導入し、臨床研究・臨床試験を行いながら、医療を提供しています。
そのため、地域の総合病院ではまだ行われていないような治療が大学病院では行われていることが多く、大学病院に転職すれば、最先端の医療を学ぶことができるのです。
大学病院のメリットその2=待遇が良い
看護師が大学病院へ転職するメリットの2つ目は、待遇が良いことです。
大学病院は民間の給料と比べると給料が高いんです。また、国公立の大学病院はボーナスが4.1ヶ月分以上、私立大学病院は5ヶ月分以上、多いところでは6ヶ月分以上も支給されます。
また年間休日は多めになりますし、福利厚生が充実していて、各種手当も手厚いので、働きやすい環境が整っています。大学病院へ転職すると給料がアップしたという看護師さんは多いんです。
大学病院のメリットその3=スキルアップできる
看護師が大学病院へ転職するメリットの3つ目は、スキルアップできることです。
大学病院は看護師向けの院内研修が充実しています。
クリニカルラダー制度に基づいたレベル別の研修や各看護分野の研修、キャリアアップのための研修など、様々な院内研修を受けることができます。
また、病棟内での勉強会も盛んにおこなわれていますし、学会参加なども推奨されていますので、大学病院へ転職すると、どんどんスキルアップしていくことができるというメリットがあるのです。
大学病院のメリットその4=雑用が少ない
看護師が大学病院へ転職するメリットの4つ目は、雑用が少ないことです。大学病院では、清掃や洗い物、物品補充、カルテ作成などの雑用は、それぞれ専門の人がやってくれます。
看護師でなくてもできる仕事はクラークさんや看護助手、清掃業者さんなどが行ってくれますので、看護師は看護業務に専念することができます。
大学病院のメリットその5=転職に有利
看護師が大学病院に転職するメリットの5つ目は、将来の転職に有利になることです。
「大学病院勤務経験あり」という肩書があると、他の病院や介護施設に転職しようと思った時に、あなたの履歴書を見て、面接官が「この人は大学病院で働いていたなら、仕事ができる人だな」と思ってくれます。
そうすると、人気で倍率が高い求人にも採用されやすくなりますので、大学病院に転職すると、さらにその先の転職にもメリットが続くことになるんです。
看護師が大学病院へ転職する3つのデメリット
看護師が大学病院へ転職するデメリットは3つあります。本気で大学病院への転職を考えているなら、メリットだけではなくデメリットもしっかり知っておきましょう。
大学病院のデメリットその1=とにかく忙しい
看護師が大学病院へ転職するデメリットの1つ目は、とにかく忙しいことです。大学病院は重症な患者さんが多いので、仕事がとにかくたくさんあります。しかも急変もたくさんありますので、病棟はいつもバタバタしています。
さらに、大学病院は在院日数が短いんです。在院日数が短いということは、それだけ、入退院が多いということになります。入退院が多ければ、看護師は忙しくなりますよね。
そのため、大学病院は勤務中はとにかく忙しくなります。また、集中治療部門や外来ならともかく、一般病棟では残業も多いんです。
大学病院のデメリットその2=採血や静脈注射ができない
看護師が大学病院へ転職するデメリットの2つ目は、採血や静脈注射ができないことです。大学病院には、研修医がたくさんいますので、採血や静脈注射、胃管チューブの挿入・交換は研修医の仕事になります。
「看護師は基本的に採血や静脈注射は行ってはいけない」というところが多いんです。そのため、今まで身につけた看護技術を使うことができず、スキルが衰えてしまうことがあります。
大学病院のデメリットその3=勉強会でプライベートな時間が削られる
看護師が大学病院へ転職するデメリットの3つ目は、研修や勉強会でプライベートな時間が削られてしまうことです。
院内研修は「年に○回は絶対参加」という条件がついていることが多いですし、病棟内での勉強会はほぼ強制参加になります。
そのため、休みの日や夜勤明けの日でも病院に勉強会のために行かなくてはけないので、スキルアップできるというメリットがある裏には、プライベートな時間が削られてしまうというデメリットがあるのです。
看護師が大学病院へ転職するなら、大学病院に向いているタイプを知りましょう
看護師が大学病院へ転職するなら、どんな人が大学病院に向いているのかを知っておきましょう。ご紹介する3つのタイプの看護師さんなら、大学病院で長く働いていけるはずです。
大学病院に向いているタイプその1=できる看護師になりたい人
大学病院に向いているのは、「できる看護師」になりたい人です。看護師としてスキルアップしたい、看護師としての基礎をきちんと身につけたい人は、大学病院へ転職すると良いでしょう。
大学病院の患者さんは重症な患者さんが多いですし、院内研修や勉強会などが充実していますので、できる看護師になりたい人にはピッタリの職場と言えるでしょう。
逆に言うと、向上心がない人は研修や勉強会の頻度の多さ、同僚の看護師のやる気や熱意についていけないので、「できる看護師になりたい」という向上心が根本にないと、大学病院で長く働くことはできないと思います。
大学病院に向いているタイプその2=キャリアアップしたい人
キャリアアップしたい人、認定看護師や専門看護師になりたい人も大学病院に向いていると思います。
大学病院は資格取得支援制度があるところが多いので、キャリアアップする時に病院から経済的な支援を受けることができます。
また、大学病院には認定看護師や専門看護師が多数活躍していますので、実際にどんな仕事をするのかなどを間近に見ることができるんです。
そのため、ぼんやりと「将来はキャリアアップしたいなぁ」と考えている人は、大学病院に転職すると、具体的にキャリアアップの方法やキャリアアップ後の仕事などが見えてきます。
大学病院に向いているタイプその3=給料アップを狙いたい人
転職して給料アップしたい人も大学病院に向いている人と言えます。今の職場の給料にもよりますが、大学病院に転職すると、年収が100万円程度アップすることもあります。
大学病院は、民間病院よりも月収が高く、さらにボーナスも多いですから。そのため、給料アップしたい人は、大学病院に転職すると、満足できるはずです。
看護師が大学病院へ転職する時の求人選びの5つの注意点
看護師が大学病院へ転職する時は、求人選びを慎重に行わなくてはいけません。大学病院の求人選びの注意点を5つご紹介します。
求人選びの注意点その1=年間休日はどのくらいなのか
大学病院の求人を選ぶ時の注意点1つ目は、年間休日は何日間あるのかです。大学病院は、基本的に年間休日が多めです。
4週8休+国民の祝日+夏季休暇5日+年末年始休暇5日+創立記念日で年間休日数が130日以上あるところも珍しくありません。
でも、4週7休のところもあるんです。4週7休だと4週8休に比べて、年間13日間も休みが少なくなります。いくら国民の祝日は休みでも13日も休みが少ないと、ちょっとモヤッとしますよね。
大学病院は忙しいですし、研修や勉強会で休みの日でも病院に行かなくてはいけない日もあるのですから、年間休日が多いところ、4週8休で年間休日130日以上のところを選びましょう。
求人選びの注意点その2=ボーナスはどのくらいか
大学病院の求人を選ぶ時の注意点2つ目は、ボーナスはどのくらいかです。国公立の大学病院は公務員と同じ4.1ヶ月分程度になります。
でも、私立大学病院だと5ヶ月分以上のところが多く、さらに私立大学病院の中でもボーナスが多いところは6ヶ月分以上あるところもあるのです。
そのため、給料アップのために大学病院への転職を考えている人は、国公立よりも私立大学病院の方が良いでしょう。
求人選びの注意点その3=勉強会の頻度
大学病院の求人を選ぶ注意点の3つ目は、勉強会の頻度です。大学病院は教育制度が整っています。それが大学病院のセールスポイントであり、それを目的に転職する人も多いでしょう。
ただ、あまりにも研修や勉強会が多すぎると、休日や夜勤明けにも病院に来なくてはいけなくなり、プライベートな時間が無くなってしまいます。
これらの研修や勉強会は強制参加のようなもので、しかも残業代はつかないことが多いのです。
大学病院へ転職すると、院内研修や勉強会だけではなく、自分でも自主的に勉強をしていかなくてはいけないので、休みの日でも勉強しなければいけません。
そうすると、仕事とプライベートの時間の切り替えがしっかりできず、仕事中心の生活になってしまいますので、勉強会の頻度はどのくらいなのかを必ず確認しておきましょう。
求人選びの注意点その4=採血や静脈注射の取り扱い
大学病院の求人を選ぶ注意点、4つ目は採血や静脈注射の取り扱いについてです。大学病院では基本的に採血や静脈注射は、研修医が行う仕事です。看護師は行いませんし、行ってはいけないとしているところも多いんです。
でも、大学病院の中には「ラダー2以上で一定の研修を受けて試験に合格すれば、看護師も採血や静脈注射をして良い」のように院内の静脈注射認定制度を設けているところがあります。
そのような大学病院に転職すれば、身につけた看護技術を忘れずに済みます。
求人選びの注意点その5=希望の病院・部署に配属になるか
大学病院の求人を選ぶ注意点の5つ目は、希望の病院・部署に配属になるかです。大学病院に転職を希望する看護師さんは、このことにもっともこだわって注意しなければいけないかもしれません。
あなたは、「大学病院に転職したい」と思ってイメージした大学病院は、大学病院の本院ですよね。支店的な存在である分院ではないと思います。
分院は精神病院だったり、総合病院とは言えない規模の病院であることも多いので、大学病院の本院をイメージして採用試験を受け、無事採用になったのに、実は本院採用ではなく分院だったらどうでしょうか?
大学病院に転職した意味がないと思ってしまいますよね。また、部署に関しても同じです。ICUや救命救急センターで働きたかったのに、眼科に配属になってしまったら、ショックどころの話ではありません。
ですから、大学病院の求人を選ぶ時には、希望の病院・部署に配属になるのかを確認してから、求人に応募するようにしましょう。
まとめ
看護師が大学病院へ転職するなら、知っておきたいことをまとめました。
大学病院の仕事の特徴、メリット・デメリット、向いている人、求人選びの注意点を見て、「私、大学病院で働きたい!」と思ったら、転職サイトを使って、大学病院の求人を探しましょう。
転職サイトなら、担当コンサルタントが年間休日やボーナスの支給実績、勉強会の頻度、採血や静脈注射の取り扱い、配属について調べてくれます。
転職サイトを使えば、担当コンサルタントが配属交渉をしてくれますので、「採用なら、希望の病院・希望の部署に配属確約」という約束で採用試験を受けることができるのです。