新人看護師で点滴が苦手、点滴が下手という人は多いと思います。苦手意識を持ってしまうと、余計に緊張して、失敗してしまうことも少なくないですよね。
点滴が下手な新人看護師さんのために、点滴がうまくできるようになる5つのコツをご紹介します。
新人看護師が点滴をしても違法ではありません!
新人看護師は点滴をする時には、緊張しますよね。でも、サーフロー針を使って点滴のルートを取ると、「看護師になったんだなぁ」と実感すると思います。
ところで、看護師が点滴をすることに疑問を持っている人はいませんか?新人看護師の中には、「看護師って点滴をして良いの?法律で禁止されているんじゃないの?」と不安に思う人もいると思います。
保助看法では、看護師は「傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」とされています。
とてもあいまいですよね。だから、点滴は診療の補助なのか、医師しかできない医療行為なのかいろいろ解釈できるのです。
でも、厚生労働省は医師の指示のもと、看護師が点滴をして良いという見解を示しています。
厚生労働省は看護師が行う診療の補助について、静脈注射や留置針によるルート確保については、診療の補助の範疇に属するものとして取り扱うことが可能であるとしているんです。
だから、新人看護師は医師の指示があれば、点滴をしても違法になることはありませんので、安心して点滴のスキルを上達させましょうね。
新人看護師が点滴をうまくできるようになるコツ
準備は万端に
新人看護師が点滴をうまくできるようになるコツは、準備を万端にすることです。準備というのは、物品を用意するだけではありません。
点滴に必要な物品を用意するのはもちろんですが、患者さんのベッドサイドに行ってからの、準備も重要です。
サーフロー針につなげるルートをすぐに取れるところに配置してあるか、固定用のフィルムテープはすぐに使えるようなっているかなどはとても大切です。
患者さんにサーフロー針を刺した後は、片手でサーフロー針を抑えながら、片手でルートをつなぎ、片手でフィルムを取って固定しますので、簡単に手が届くところに準備しておかなくてはいけないのです。
この準備ができていないと、せっかく血管にサーフロー針を刺しても、そのあとバタバタして、サーフローがずれてしまったり、抜けてしまったりするので、とにかく準備はしっかりしておくようにしましょう。
点滴の手技のイメージトレーニングをしておくと、どこに何を置くと、スムーズに点滴できるかがわかるようになると思います。
先輩の手技をじっくり観察
新人看護師が点滴をうまくできるようになるためのコツの2つ目は、先輩の手技をじっくり観察しましょう。
どうしても点滴が下手な新人看護師さんは、ちょっと時間があるときに、先輩看護師にくっついて、点滴のルートを取るところを見せてもらいましょう。
この時に、どうやって血管を選んでいるのか、物品の配置はどこにどういうものを置いて用意しているか、針を刺す角度などをしっかり観察してください。
そうすれば、点滴がうまくなるコツがわかってくると思います。また、逆に先輩看護師に自分の手技を見てもらうのも良いと思います。
先輩にあなたの手技を見てもらえば、自分では気づかなかった問題点を指摘してもらえると思います。
血管は念入りに探す
新人看護師が点滴をうまくできるようになるためには、血管は念入りに探しましょう。点滴をする時には、刺しやすい場所、血管がまっすぐで見えやすい場所がありますが、それ以外の部位もしっかり観察しましょう。
一時的に駆血帯をして探すのも良いと思います。前腕部分は360度くまなく観察してください。どうしても見つからなかったら、上腕も探してみましょう。
前腕には全く血管が見えなくても、上腕にはまっすぐの血管が見えることもあります。
「早く点滴のルート確保をしなくちゃ!」と焦ると、あまり良い血管とは言えない血管に刺してしまって、失敗することがあります。
時間はかかっても、とにかく血管は念入りに探すようにしましょう。
ためらわない
新人看護師が点滴をうまくできるようになるコツ、4つ目はためらわないことです。点滴をする時に緊張していると、針先がプルプル震えてしまうことがありますよね。
そして、「ミスしたらどうしよう?できるかなぁ?」と不安になっていると、針先がぶれるので、失敗しやすくなります。
血管の中で針先を動かして、血管を探る人がいますが、血管を探る人は、このためらって刺すタイプの人が多いですね。
血管を探っても、たいていの場合は失敗しますし、患者さんは痛みを感じますので、ためらわずに一気に刺してください。
ためらわずに刺しても、動脈に刺すことはまずありませんので、その点は安心してください。
動脈は深い部位を走っていますので、静脈を刺そうと思って、動脈を間違って刺してしまうことはほぼありません。
ただ、ぐりぐり探っていると、誤って刺してしまうこともあるかもしれません。動脈に刺してしまったら、逆血の勢いですぐにわかると思いますので、落ち着いて圧迫止血をして、医師に報告してください。
また、点滴に自信がない人は、針の種類は24Gなど細い針を選びたくなりますが、細すぎると逆に刺しにくいですし、すぐに凝固して使えなくなることが多いので、よほど血管が細い患者以外は、基本の22Gを選ぶようにしましょう。
最後に接続と滴下をしっかり確認
新人看護師が点滴をうまくできるようになるコツ、最後は接続と点滴をしっかり確認しておくことです。
無事にうまく点滴のルート確保ができたら、ベッドサイドを離れる前に、念のため接続と滴下を確認しましょう。
ルートや三方活栓の接続は緩んでないか、三方活栓の向きは間違っていないかを確認し、滴下を合わせたら、ようやくベッドサイドを離れられます。
接続が外れたら、点滴が漏れてしまって、もう一度新しい薬液を用意しなければいけません。また、逆血が起こって、刺し直しをしなければいけないこともあるでしょう。
シーツや寝衣が濡れて、交換しなければいけないこともありますよね。接続が外れると、患者さんにも迷惑が掛かりますし、あなたの仕事も増えますので、接続は必ず確認してください。
また、滴下も合わせましょう。点滴の滴下計算が苦手な人もいると思いますが、そういう人は、いちいち計算しなくても良いように、よく使う滴下数を暗記するかメモしておくと良いでしょう。
成人用のルートの場合、1ml=20滴、小児用ルートは1ml=60滴です。成人用ルートで500mlを4時間で落とすなら、1分に42滴なので、3秒に2滴程度になります。
100mlを1時間で落とすなら、1分で33滴なので、2秒に1滴ですね。このように、あなたが働いている病棟でよく使う滴下数は暗記しておくと、滴下を合わせやすくなると思います。
高カロリー輸液などは、輸液ポンプを使うことも多いと思いますが、輸液ポンプを使っても、ルートが屈曲していると、滴下が遅くなることもあります。
高カロリー輸液で滴下が合わないと、栄養状態や血糖値に影響が出ますので、輸液ポンプを使っていても、きちんと滴下できているかを確認するようにしましょう。
新人看護師が点滴でミスをしたらどうする?
新人看護師が点滴でミスをしたらどうすれば良いのでしょうか?点滴のミスといっても、ルートが取れなかったミスではありません。
先ほども言いましたが、接続が外れていたり、患者さんの名前を間違って投与ミスをしたり、点滴が漏れて静脈炎を起こしたりした場合のミスです。
これらのミスはインシデントになりますので、すぐに適切な対処をしなければいけません。
新人看護師はこれらのミスの適切な対処を1人ではできないと思いますので、点滴でインシデントを起こしたら、まずは点滴を止めて、すぐに先輩看護師に報告しましょう。
そして、先輩看護師の指示に従って対処し、インシデントレポートを書いて、同じミスを起こさないようにしましょう。
点滴でミスをした時の対処法の詳細は、「新人看護師は仕事で失敗しても隠さないで!失敗から学ぶため4つのステップ」を参考にすると良いでしょう。
まとめ
新人看護師が点滴がうまくなるコツをまとめました。点滴のルート確保は、慣れないと難しいですが、1発でルート確保ができると、とてもうれしいですよね。
点滴がうまくなるためには、1度先輩に見てもらうと良いと思います。先輩看護師に見られていると、緊張しますが、それでも自分では気づかなかった点を指摘してもらえますので、上達する近道なんです。
でも、先輩看護師が意地悪な職場で働いていると、「はぁ?面倒くさいから嫌」と言われてしまうこともあると思います。
そういう職場で働いていると、なかなか点滴の手技もほかの看護技術も上達しませんので、思い切って転職を考えてみるのも良いと思います。
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