地域包括ケア病棟に注目!役割や回復期リハビリ病棟との違いを徹底解説

地域包括ケア病棟に注目!役割や回復期リハビリ病棟との違いを徹底解説

地域包括ケア病棟は2014年に新設されて以降、どんどん増加しています。でも、地域包括ケア病棟って何?回復期リハビリテーション病棟や療養型病棟と何が違うの?という疑問を持っている人が多いのではないでしょうか?

ここでは、地域包括ケア病棟の基礎知識や役割、回復期リハビリ病棟や療養型病棟の違いについて徹底解説します。

地域包括ケア病棟について、まずは基礎知識からチェック!

地域包括ケア病棟とは何か?そんな疑問を持っている看護師さんのために、地域包括ケア病棟について、地域包括ケア病棟が作られた背景、施設基準などを解説します。

地域包括ケア病棟は急性期病棟と在宅のつなぎ役!

地域包括ケア病棟とは、急性期病棟での治療が終わり、病状は安定したけれど、まだ自宅へ退院できないという患者が在宅復帰のために入院する病棟のことです。

現在の診療報酬では、急性期病棟での治療が終わったら、すぐに退院しなければいけません。急性期病棟の在院日数は短ければ短いほど、病院の収入は増えるシステムになっていますから。

でも、急性期病棟での治療が終わり、病状が安定したからといって、患者全員がすぐに自宅に戻れるわけではありませんよね。

急性期のような高度で専門的な治療は必要ないけれど、継続した治療が必要なこともありますし、ADLアップのためのリハビリが必要なこともあります。

急性期病棟に入院する必要はないけれど、自宅へは戻れない。そんな患者を受け入れて、在宅復帰を目標に治療し、支援していくのが地域包括ケア病棟なのです。

厚生労働省は在宅復帰を増やすために地域包括ケア病棟を新設した

地域包括ケア病棟は2014年の診療報酬改定で新設されました。

なぜ、厚生労働省は地域包括ケア病棟を新設したのでしょうか?それは、厚生労働省が在宅復帰を増やしたいという考えがあったことと、患者側が在宅に戻りたいという希望を持つ人が増えたことが理由です。

看護師なら、日本の医療制度が崩壊寸前であることはなんとなく気づいていると思います。高齢者が急増し、医療費がどんどん膨らんでいるからです。

医療費を削減するためには、ずっと入院しているのではなく、在宅復帰を促進しないといけません。そのために、在宅復帰を前提とした地域包括ケア病棟が作られたのです。

また、急激な高齢者の増加に伴って、介護施設の数も追いついていないのが現状です。入所費用が安い特別養護老人ホームは、入所を申し込んでも入所できるまで1年以上待たなければいけないことも少なくありません。

さらに、価値観の多様化や選択肢の増加によって、人生の最期は病院ではなく自宅で迎えたいと希望する人が増えています。

このような背景があるため、「病院を退院したら、自宅へ戻ろう!」という流れが強くなり、地域包括ケア病棟が新設されたのです。

地域包括ケア病棟には病院側にも増収できるというメリットがある

地域包括ケア病棟は2014年の診療報酬改定で新設されて以来、200床以下の小規模・中規模病院を中心に、一般病床を地域包括ケア病床に変更するところが増えています

一般病床は出来高払いです。いろいろな手術や治療、検査をすれば、それだけ病院の収入が増える仕組みになっています。

でも、中小規模の病院は重症患者は少なく、手術件数も少ないです。検査もそれほど頻繁には行われません。だから、一般病床だと、病院の収入はあまり多くないのです。

でも、地域包括ケア病棟に変更すれば、包括払いなので、治療内容に関係なく一定の収入が見込めるのです。さらに、手術をしたら、その分収入に上乗せされます。

これが、地域包括ケア病棟の病院側の増収できるというメリットです。だから、中小規模の病院は一般病床から地域包括ケア病床に変更するところが多いのです。

看護師の給料も高めの傾向がある

病院の収入が増えると、その増収の一部を看護師の給料に反映させることがあるので、地域包括ケア病棟の看護師の給与水準は、平均よりもやや高めになることが多いです。

また、退院調整の経験や内科・外科問わずあらゆる診療科の患者に対応できるスキルがあると、地域包括ケア病棟では重宝されます。

そのように地域包括ケアで役立つ経験・スキルがある看護師は、小規模・中規模病院なら調整手当で3~10万円が付くことがあります。

もともとが平均よりやや高めで、さらに調整手当が付けば、大幅な給料アップが見込めるのです。

地域包括ケア病棟の施設基準

地域包括ケア病棟の施設基準の代表的なものは、次のようなものです。

  • 看護職員=7割以上が看護師
  • リハビリ職員=専従のPTかOT、STが1名以上

地域包括ケア病棟を持つ病院は、在宅療養支援病院か在宅療養後方支援病院、2次救急病院、症例に基づき認定された救急病院のいずれかである必要があります。このほかにも、地域包括ケア病棟の施設基準は細かく規定されています。

入院期間は基本的に60日以内で、診療報酬は包括払いとなっています。

地域包括ケア病棟の診療報酬は地域包括ケア病棟入院料1(2558点)と地域包括ケア病棟入院料2(2058点)があります。

地域包括ケア病棟入院料1と2の違いは在宅復帰率と病室の床面積です。

在宅復帰率が7割以上で、病室の床面積が患者1人当たり6.4㎡だと地域包括ケア病棟入院料1で算定でき、在宅復帰率が7割未満、または病室の床面積が6.4㎡未満だと地域包括ケア病棟入院料2となります。

地域包括ケア病棟の3つの役割

地域包括ケア病棟の役割は、在宅復帰と急性期病棟からのワンクッション、緊急時の受け入れの3つがあります。

  1. 在宅復帰
  2. 急性期病棟からのワンクッション
  3. 緊急時の受け入れ

在宅復帰

地域包括ケア病棟の役割の1つ目は、在宅復帰です。これが、地域包括ケア病棟の最大の役割とあ言って良いでしょう。

先ほども説明しましたが、地域包括ケア病棟の目的は在宅復帰であり、在宅復帰率によって診療報酬が変わってくるというという特徴があります。

また、施設基準でも専任の在宅復帰支援担当者を1名以上配置しなければいけません。入院当初から在宅復帰に向けての退院支援に力を入れて、できるだけ早く在宅復帰できるように支援していくのが地域包括ケア病棟の役割なのです。

急性期病棟からのワンクッション

地域包括ケア病棟の役割の2つ目は、急性期病棟からのワンクッションです。急性期病棟では、早ければ1週間程度、平均でも2週間、長くても1ヶ月程度で退院になります。

ただ、急性期での治療が終わったからと言って、すぐに自宅へ戻るのは、病状的に無理な場合も多いですし、患者本人の不安が大きい場合もあります。

また、突然の入院、短期間での退院では、家族の受け入れ体制が整わない場合もありますね。

地域包括ケア病棟は、急性期病棟と自宅の間に60日間というワンクッションを置くことで、自宅へ安心して復帰できる状況を整える役割があるのです。

緊急時の受け入れ

地域包括ケア病棟の役割の3つ目は、緊急時の受け入れです。地域包括ケア病棟は、急性期病棟から転院・転棟患者を受け入れるだけではありません。

地域包括ケア病棟を持つ病院は、在宅療養支援病院や救急病院である必要があります。在宅で療養している患者の状態が悪くなったら、入院させて、また自宅で療養できる状態に治療しなければいけません。

また、地域包括ケア病棟はレスパイト入院を受け入れているところが多いです。レスパイト入院とは、普段は在宅での療養を手伝い、介護している家族が休むための入院のことです。

介護施設におけるショートステイの病院版と考えるとわかりやすいかもしれません。

在宅復帰を前提とした緊急時の受け入れとレスパイト入院を受け入れることで、患者も家族も安心して在宅療養ができるようにしているのです。

地域包括ケア病棟での看護師の役割

地域包括ケア病棟の概要がわかったところで、次は地域包括ケア病棟での看護師の役割を説明していきます。

地域包括ケア病棟での看護師の役割は、一般的な看護業務に加えて、退院支援やリハビリ支援があります。

  1. 一般的な看護業務
  2. 退院支援
  3. リハビリ支援

一般的な看護業務

地域包括ケア病棟での看護師の役割の1つ目は、一般的な看護業務です。地域包括ケア病棟では、急性期病棟での治療は終わったといっても、まだ継続的な治療が必要です。また、ADLが低下していることが多いので、日常生活の支援も行わなければいけません。

そのため、地域包括ケア病棟の看護師は、医師の指示に基づいた医療行為を行って治療を進めたり、日常生活援助を行って、患者の入院生活を支援していく役割があります。

退院支援

地域包括ケア病棟は在宅復帰を目標としていますので、看護師は患者が入院してきたら、すぐに在宅復帰へ向けて退院支援を行います。地域包括ケア病棟では、退院支援を行うのはとても重要なのです。

  • 患者のADL
  • 患者の在宅復帰への意思
  • 患者の理解度
  • 家族の理解度
  • 家族の受け入れ状況(自宅設備やマンパワー)
  • 経済状況

これらを考慮しつつ、看護師はMSWやケアマネージャーと連携しながら、在宅復帰のための退院支援を行っていきます。看護師は退院支援を進める上での中心的な役割を担っているのです。

地域包括ケア病棟では、急性期病棟などほかの病棟に比べて、積極的に退院支援を行っていきますので、退院支援に興味がある看護師にとっては、地域包括ケア病棟で働くのは大きなメリットになると言えるでしょう。

リハビリ支援

地域包括ケア病棟では、リハビリ支援も行います。当然ながら、看護師も積極的にリハビリ支援を行わなければいけません。

自宅へ復帰するには、ADLをアップさせる必要があります。施設基準でもリハビリが必要な患者には1日平均2単位のリハビリを提供するように決められていますし、PTやOT、STも最低1人は配置しなければいけません。

ただ、PTやOT、STは回復期リハビリテーション病棟ほど多くありませんので、看護師が積極的に患者のリハビリを進めていかなければいけないです。

病棟によって異なりますが、地域包括ケア病棟における看護師のリハビリでの役割は、回復期リハビリ病棟よりも重要と言えるかもしれません。

地域包括ケア病棟と回復期リハビリ病棟、療養型病棟の違い

地域包括ケア病棟の基礎知識や役割を説明してきましたが、回復期リハビリテーション病棟や療養型病棟と具体的に何が違うのかが、いまいちよくわからないという人も多いかもしれません。

回復期リハビリテーション病棟も療養型病棟も急性期病棟から転院・転棟する患者が多いですから、何が違うのかがあいまいになってしまうことが多いんです。

そんなあなたのために、地域包括ケア病棟と回復期リハビリテーション病棟、療養型病棟の違いを、以下の5つの面から見ていきます。

  1. 入院できる人(疾患)
  2. 入院期間
  3. 入院目的
  4. 診療報酬
  5. 今後の見通し

入院できる人(疾患)

まずは入院できる人・疾患の違いを見ていきましょう。

地域包括ケア病棟

地域包括ケア病棟では、特に疾患の指定はありません。誰でも入院可能です。

回復期リハビリーション病棟

回復期リハビリテーション病棟では、次のような指定があります。

  • 脳疾患や高次脳機能障害、頭部外傷
  • 重度の脊髄損傷
  • 骨盤や大腿骨、膝関節、股関節の骨折
  • 整形外科領域の神経や筋肉、靭帯損傷
  • 股関節・膝関節の置換術後
  • 手術や安静による廃用症候群

回復期リハビリテーション病棟は脳神経系の疾患や整形外科領域の疾患等しか入院することができません。

療養型病棟

療養型病棟では、特に疾患の指定なく、誰でも入院することができます。

入院期間

次に、入院期間の違いを見ていきましょう。

地域包括ケア病棟

地域包括ケア病棟は、60日以内に退院する必要があります。

回復期リハビリテーション病棟

回復期リハビリテーション病棟は、疾患によって入院期間が決められています。最短は60日間、最長は180日間です。

高次機能障害や重度の脊髄損傷、頭部外傷などは、長期間のリハビリが必要になりますので、最長180日間の入院が可能ですが、整形外科領域の神経や筋肉、靭帯損傷では60日以内に退院が必要です。

療養型病棟

療養型病棟は、入院期間の制限はありません。入院の必要があると主治医が判断すれば、いつまででも入院することができます。

療養型病棟では、1年以上入院している患者も珍しくありません。

入院目的

地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養型病棟では、入院目的も違います。

地域包括ケア病棟

地域包括ケア病棟の入院目的は、自宅復帰です。自宅に帰るために、地域包括ケア病棟に入院します。

回復期リハビリテーション病棟

回復期リハビリテーション病棟への入院目的は、リハビリです。リハビリを重点的に行って、機能回復・ADLアップを目標にして入院生活を送ります。

療養型病棟

療養型病棟は、その名前の通り、療養をするための病棟です。急性期のような積極的な加療は必要ないけれど、継続的な治療は必要であり、自宅や介護施設で療養するのは不可能という患者が入院します。

診療報酬

3つの病棟は診療報酬の違いもあります。

地域包括ケア病棟

地域包括ケア病棟の費用は、包括払いです。治療内容によって、診療報酬が変わることはありません。ただ、手術や麻酔、摂食機能療法、厚生労働大臣の定める除外薬剤や注射薬を使った場合は、その分だけ出来高払いになります。

回復期リハビリテーション病棟

回復期リハビリテーション病棟は、出来高払いです。リハビリをしっかり行えば行うほど、診療報酬は高くなる仕組みになっています。

療養型病棟

療養型病棟での診療報酬は、包括払いです。ただ、患者の重症度によって診療報酬が変わるようになっていて、重症でADLが低い患者を受け入れると、診療報酬が高くなります。

今後の見通し

最後に、地域包括ケア病棟と回復期リハビリテーション病棟、療養型病棟の今後の見通しについて見ていきましょう。

地域包括ケア病棟

医療費削減が必要であることや介護施設の待機問題、自宅へ戻りたい患者の増加という背景があるため、地域包括ケア病棟の重要性は今後さらに大きくなることが考えられます。

2025年に向けて、地域包括ケア病棟はさらに増加し、需要が高まることが予想されています。

回復期リハビリテーション病棟

回復期リハビリテーション病棟も、今後もさらに需要は高まるでしょう。医療技術の発達によって、脳卒中での死亡率は低下していますが、後遺症が残る人は多いので、リハビリは必須になります。

また、整形外科疾患後も寝たきりを防止し、社会復帰を促すためにも、リハビリは必要ですので、今後も需要は広がりますし、リハビリ看護の重要性は高まっていくはずです。

療養型病棟

療養型病棟は、厚生労働省によって削減されることが決まっています。療養病床には医療療養病床と介護療養病床がありますが、介護療養病床の廃止と医療療養病床の一部の廃止が決められているのです。

そのため、療養型病棟はなくなりはしないものの、今後は少しずつ減っていくことになります。

まとめ

地域包括ケア病棟の基礎知識や役割、回復期リハビリテーション病棟や療養型病棟との違いをまとめました。

地域包括ケア病棟は、自宅復帰を前提としている病棟です。また、自宅療養中に病状が悪化した患者を受け入れる役割もありますので、患者が地域で安心して療養するための病棟と言えるのではないでしょうか。

地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養型病棟は似ているようで違うものです。

退院支援を重点的にやりたい人は地域包括ケア病棟を、リハビリ看護を深めたい人は回復期リハビリテーション病棟を、とにかく長期間患者と向き合いたい人は療養型病棟を選ぶと良いと思います。

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この記事を書いた人

看護師 rina

  • 取得資格:看護師、保健師
  • 出身:茨城県
  • 年齢:34歳
  • 看護師経験:大学病院、一般病院、介護老人保健施設、巡回健診、イベントナース
  • 経験がある診療科:救命救急センター、一般内科

看護大学を卒業後、都内の大学病院で5年間勤務。その後は、一般病院の療養型病院で2年間勤務しました。大学病院に勤務している時には、バイトで介護施設などでの勤務経験もあります。1児の母となった現在は、看護師ライターとして看護師の皆さんが、自分に合った働き方ができるように、転職やライフスタイルのアドバイスに関する記事を執筆しています。

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